トムヤムくん

サンセット大通りのトムヤムくんのレビュー・感想・評価

サンセット大通り(1950年製作の映画)
3.9
サンセット大通りにある大邸宅のプールで、一人の男の水死体が発見される。売れない脚本家だった彼が、サイレント映画時代にスターだった大女優と出会うところまで話遡る。

サイレント映画からトーキー映画へと移り変わろうとしているハリウッドが舞台。ホラー映画さながらのグロリア・スワンソンの怪演と、悲劇のようで喜劇のような絶妙に痒いところを刺激してくれる緻密な脚本、やけにリアリティのある闇深いストーリーに圧倒的されっぱなし。白黒映画のはずなのに、まるで色が付いて見えるほど色褪せない面白さ。特にラストシーンの破壊力は凄まじい。圧巻。全て持っていかれた。

公開されたのが『イヴの総て』と同じ年じゃなければ、確実にアカデミー賞を受賞していたと思う。