サンセット大通りの作品情報・感想・評価

「サンセット大通り」に投稿された感想・評価

a

aの感想・評価

4.8
過去の栄光にとらわれてるメンヘラおばさん。ストーリーは最初から勢い止まらない上に、最後のシーンは特に狂気。最高。
smoke

smokeの感想・評価

4.7
パラマウントピクチャーズの長い映画史の中でも、いやハリウッドの長い歴史的礎の中でも頂点に数えげ挙げられても不思議でない傑作。
夢遊病者、倒錯者、ニヒルなコメディーセンス、癖の強いキャラクター等々。
非の打ち所がないが無い完璧なシナリオ構成。
世の中には、現在と比べると技量的レベルの乏しい当時だから高い評価を得た映画とか、古典を代表する監督だから有名な古典映画とか、映画理論を辿って行くだけの頭デッカチの評論家が絶賛する古典映画が余りにも多すぎる。
内実はショボいのに、古典だからという理由でそれらの映画は評価されている。
しかしこの映画はそういう類の映画ではなく、現在視聴しても視聴に耐えうるどころか物凄く面白い。
制作されて70年近く経過した現在に於いても、現代感覚で映画に純粋に潜む"面白さ"を伝えられる映画は極めて少ない。
Yoko

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4.5
 売れない脚本家の”ジョー”は自身の車を取り立てられてしまいそうなほど貧困にあえいでいた。
 運転中のところを取り立て屋に見つかり追われるさなか、彼が迷い込んだのは荒んだ、しかしながらあまりにも壮大な邸宅であった…。

 サイレントからトーキーへの転換を経て様変わりしたハリウッド。そこで見放されてしまった、あるいは見放した人々による最後の栄華(映画)ともいえようか。こんなにも迫るラストシーンは中々お目にかかれない。
 
 今作のグロリア・スワンソンの演技は人生がかかっているような「本気」が痛切に伝わる。
そこから見出される、栄光を極めた過去にすがる彼女の「悲哀」がよく取り沙汰されているように思われる。
とりわけ映写機からスクリーンに伝わる光を横顔で受け止める姿や、撮影所のスポットライトを一身で浴びる姿など、ビリーワイルダーなんとも意地悪な男であろうかと。
 しかしそれよりも印象深く、どうも私には彼女の「健気」な一面というか、どこか「愛おしさ」を沸き立たせる部分が多分に伝わってきたのが全く予想だにもしなかった結果で驚いた。
経験豊富な老練な女優であるにも関わらず、初恋をしているかのよう。
ただ、彼女の人生そのものが女優であるがために、それすら真意と断言できるだろうか。
その重厚で淑やかなヴェールを剥ぎ真意を確かめる術を残念ながら私は持ち合わせておりません。

 シュトロハイム演じる執事の忠心、それは市井の人々が興じる愛を超越するような心境に達している。
彼の目に映っているであろう「滲む」彼女を共体験させてくれた今作をただただ素晴らしいと評せざるを得ないでしょう。
ジジイとババアの常軌を逸した関係の中に巻き込まれる脚本家。
不気味で恐ろしい屋敷が徐々に分かるとき本当に怖い。

時代が移り変わる中で取り残された大女優ノーマとそれを愛して尽くす元監督の執事のジジィ。
その2人が住んでる退廃した牢獄のような屋敷に半分監禁状態の脚本家の主人公ジョー。

ノーマに愛されてしまったジョー。ノーマはジョーを監禁して人形のようにする。生活も常に引きこもり現実を見ようとしない。交友関係も昔の俳優、女優のみ。今のハリウッドに出向くシーンは怖かった。
この女優ノーマのチャップリン姿が怖いし面白い。スターであることをいつまで経っても忘れない。最後、怖いわ。

執事のマックスのぞっこんな感じが泣けてくる。ずっとスターでいさせるために嘘のファンレターを書いてノーマを安心させるし、監督業をやめてまでずっと側にいる。で、このジジイが最後に完全に狂った状態のノーマに話を合わせるシーンがいい。
女に弱い落伍者の脚本家、ストーカー気質の元監督執事、偉そうな落ちぶれ大女優、この映画っていう馬鹿なファンしか生まないメディアにしがみつくどうしようも無い連中が一緒に住んでる設定が滑稽で面白い。

途中で死ぬ猿は映画ファンの比喩だよきっと。だって好きな男を殺してもプールに放置したくらいなのに、猿はちゃんと葬式してあげてるし、男より猿の方が丁重に葬るなんて、スワンソンにとっての猿は自分の映画ファンの比喩なんだよ。
isetie

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プールサイドで主人公の死体が見つかるところから始まる本作。死から始まったことを忘れるほど、コミカルでライトな中盤。
徐々にグロリア・スワンソンの狂気が増幅し、気づいたら虚構にどっぷり浸かっているギリスと観ている我々はシンクロする。だからこそベティが接触するシーンは、なんか胸が苦しくなるし、最後の方悪態をつくのは、観客を現実に静かに戻してくれるための仕掛けかなと思ったりもする。

虚構の方が楽なんだけれど、やっぱりその場限りなんだよねって教えてくれる。まぁ結構ホラーですよ、私にとったら。
冒頭、プールの中で男が死体になって浮かんでる。何で俺がこんなことになったか、遡ってお話ししようってな感じで、死者の語るストーリーが幕開け。ハリウッドの売れない脚本家ジョーが、借金取りから逃れるためにたまたま身を隠した場所が、サンセット大通りのとある豪邸。それはサイレント映画時代の大女優ノーマデズモンドの邸宅だった。彼女は過去の栄光をばあさんになった現在でも引きずってて、再び銀幕に返り咲こうと、自らを主演に想定して出来の悪い脚本を書き上げている。それを突如現れた脚本家のジョーに推敲させようと、雇って屋敷に住まわせる。ってとこから残酷ホラー悲劇がドロドロと展開。もはや映画産業の誰からも求められてないのに、いまだに凄まじい虚栄心に取り憑かれてるエグすぎるババアのノーマは、圧倒的な財力でジョーを愛人としてキープし、そのまま屋敷に縛りつけようとする……って流れで、まぁとにかくすごいのが、本人自身の状況を強烈な風刺として描いたようにしか見えない作品のなかで、鬼気迫る狂気の演技をこれでもかと見せつけるグロリアスワンソン! 頭おかし過ぎて妖怪にしか見えないババアを、腐っても往年のスターが、よくここまで醜悪に演じきったもんや。表情と動きがまじマキモくて、実生活でマネしてみたいレベル。ほんで、かのシュトロハイムも重大な秘密を隠した主要キャラとして出演、キートンやデルミといった映画史に名を馳せる巨人たちも脇で本人役を演じ、しかもこれらみんな、本人たちがホントに直面してた哀しみの状況じゃねーの?って言う。ほんとエグい。ダーク過ぎる。で、現実とフィクションが辛辣に重なり合うそんなこんなを、名匠ビリーワイルダーが非の打ち所がない完璧な演出で語っていくのでありますから、これで面白くないわけがない。見るたびに面白さが増す。昔の映画をいっぱい見てる人ほど、より深く楽しめる映画でありそうやけど、そうでなくても、人生の無常に淘汰されていく人間の悲惨さをとんでもない毒気をもって描いたものすごイジワルな作品として、大いに楽しめると思われます。大変に印象的なタイトルコールから鳥肌総立ちのおそろしいエンディングまで、ほんとに強烈なシーンの連続! また見たい!
白石尊

白石尊の感想・評価

4.1

「ハリウッドは人を噛んで吐き捨てる 私は食べかすだ」
とは、映画「エド・ウッド」におけるベラ・ルゴシ役のマーティン・ランドーの台詞。
奇しくも、今作の劇中、ウィリアム・ホールデン演じる売れない脚本家が、噛んでいたガムを吐き捨てるシーンがあった。当の本人に促されたとはいえ、朽ち果てたかつての大女優の目の前でのその行為は、かの台詞を如実に表しているようで心中穏やかでなかった。
新旧のスターが入れ替わり立ち替わり、次々に映画が生み出されてはその大半が時の流れと共に忘却の彼方に消えていくハリウッドの儚さが全編に溢れる。

ショービズの世界において栄枯盛衰は宿命である。特に時代がサイレントからトーキーに移り変わる映画史上の過渡期においてはそれは殊更に顕著なことだっただろう。
時代に取り残された者の苦悩と狂気が溢れんばかりに映し出された人間描写は見事だが、それをリアルに同じ境遇のサイレント時代の大女優に演じさせるとは。
演じる方も、演じさせる方も、「映画人」としての矜持が素晴らしい。

サイレント時代の大女優ノーマ・デズモンドを演じるのは、実際のサイレント時代の大女優グロリア・スワンソン。
まさに自分自身を投影した役どころを圧倒的な存在感と鬼気迫る表現力で演じきっている。
“大階段”を降り立ちカメラに迫っていくラストシーンでは、現実と創造の境界を越えた崇高なまでのナルシズムに支配された。

光り輝く世界の裏側に確実に存在する闇と人間の脆さを、ビリー・ワイルダーが卓越した映画術で映し出したこの映画の佇まいは「名作」の呼称に相応しい。
ああ傑作。
導入の語りから幕引きのクローズアップまで一切の無駄のないフィルム・ノワール。フィルム・ノワールって何よ。

Wiki「40年〜50年代に制作された虚無的・悲観的・退廃的な犯罪映画」

その通りっすね。


金無し脚本家の男と、サイレント映画時代のスターだった大女優、そしてその執事。
メインはほぼこの3人。登場人物が簡潔で分かりやすいのが嬉しい。そのぶんそれぞれのキャラが濃い。

執事役がほんっとに良い。あの無粋で不気味な得体の知れなかった男が最後にゃ涙腺揺るがして来るんだから構成から何からお見事で。

いまいちラスト付近の金無し脚本家の心情が理解できなくて「???」ってなったのでマイナス入ってますけど極上のラストのためにはまあしゃーないと思っとこう。

何より、同じ白黒で「情婦」「何がジェーンに起こったか?」あたりを彷彿とさせる主演女優の圧倒的な怪演。虚無的で悲観的なのも3作似てるなあって気がしますね。情婦はまたそこからさらに想像を上回ってくるんだけど。なるほどフィルム・ノワールだ。
MARS

MARSの感想・評価

4.0
見終わった後からじわじわと迫って来る演技のすごさ…
この異様な雰囲気にすぐに引き込まれていく。
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