Goach

サンセット大通りのGoachのレビュー・感想・評価

サンセット大通り(1950年製作の映画)
4.1
今を生きるのって、想像以上に難しい。

スラムダンクには「人生の全盛期はいつだよ」なんてシーンがありますが、本作では全盛期がずっと続いていると思っている 往年の大女優が主人公。本作の面白いところは、主役だけでなく登場人物のほとんどが、全盛期を過ぎた「過去に生きている」キャラクターたち。そんな彼ら彼女らが、恋愛の要素を交じえ、エゴをぶつけ合う物語。

人生の絶頂を味わったアーティストや有名人は、歳月が経っても絶頂の自分が忘れられない。覚醒剤や自己破産のゴシップニュースが後を絶えないのも、そこに起因します。絶頂を味わうと、過去に生きてしまう危険性があります。でも、これは有名人に限った話ではなくて、人間は基準を下げるのが苦手な生き物。SNSで昔の写真をプロフィール写真にしてる人なんて多いはず。

俯瞰的に、人類の一部として自分が存在していると考えるは難しいし、いつまでも自分が中心だから過去に生きる人は多い。

昨日と今日の自分は違うし、常に今が正しいと思わなきゃいけない。過去の自分を時に否定し、前を向いて今を生きなきゃいけない。

普遍的なメッセージを持つのが、本作が名作たる所以なんでしょうね。
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