マレムリン

サンセット大通りのマレムリンのレビュー・感想・評価

サンセット大通り(1950年製作の映画)
4.0
古いホラーは怖くない、ということが往々にしてあるけれども、このラストは本当に鳥肌が立った。「デミルだわ!」からの虚実混濁が、老女優の狂気と哀れさと同時に、映画というウソが持つ魔術的パワーの現れでもあり、ともかく素晴らしい。
執事の過去設定がラストをうまく成立させていて唸る。しかもそれをサイレントの巨匠シュトロハイムにやらせるという残酷さ。グロリア・スワンソンは言うに及ばずだが、これを受けてやり切るキャストたちもすごい。
ハリウッド業界や映画撮影自体のメタフィクション的な取り込みは『バードマン』とかの元ネタになってんじゃないかな。
主人公の立ち回り、対人操作系メンヘラ対応として悪手にも程がある感じだが、半端に善良だからこそ逃げ出せなくなるというのはなんともリアル。