Goach

ロルナの祈りのGoachのレビュー・感想・評価

ロルナの祈り(2008年製作の映画)
4.0
日本には存在しえない「愛」の形。
人間の奥底にある、深い感情を描いた作品。

お金目的で、麻薬中毒の男と国籍取得するため偽造結婚した主人公のロルナ。偽造結婚仲介の組織が、次の結婚ビジネスのために、薬漬けの夫を殺すことを匂わせ..という話。

ロルナの変化する心の動きが、とても儚く、また生きる力強さを感じさせてくれます。

自分は、恋人にとって理想の生活を得るための手段になっているのではないか。
自分は、組織にお金を入れるための手段になっているのではないか。
唯一、自分を「目的」としてくれたのが、薬漬けの夫でした。

貧困にあえぎ、手段としてしか使われていなかったロルナにとって、"最低な男"は生きる目的そのものになったのだと思います。その後、存在しない愛を体に宿したのも、ロルナの力強さを証明するものなんじゃないかな。

今の日本では起こりえない社会背景が、日本にはない形の愛情を生んでいます。宗教の差異からか、日本よりも欧州の方が愛情の形が多い気がしますね。

目を背けたくなるところもあるけど、生きる力強さを教えてくれる作品です。
男女でちょいと感想が違いそうな映画でもあります。

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