ロルナの祈りの作品情報・感想・評価

「ロルナの祈り」に投稿された感想・評価

OYU

OYUの感想・評価

4.5
少しユラユラ揺れる長回しの映像が印象に残った。内容は、明るいというより少し鬱め。物語が進む中で移り変わるロルナの表情とか、行動から受け取れる彼女の想いとか、映し出される表現が繊細で引き込まれました。
zak

zakの感想・評価

3.6
良くも悪くも相変わらずなダルデンヌ監督の作風なんですけど、今作は一風変わった印象も受けました。

好みは真っ二つに分かれそうですが、個人的には淡々と観ているのは嫌いじゃないので毎度見入ってしまいます。
そして最初は一体どういう話なのか分からず、観ているうちに徐々に明かされていく話の展開も楽しみの一つ。

今作は全く予想のつかない展開を見せるストーリーで、まず理解できたのは、主人公の女性ロルナはベルギー国籍を取得するために偽装結婚をしているということ。
そしてその相手はヤク中だということ。
更にロルナはその裏で別の行動に出ていて…という話。

前半と後半で全く違った様相を呈する展開が新しいし、ダルデンヌ監督作品は毎回ショッキングな見所があるんですけど、今作は割と強烈でした。
いつもBGMもなく無音な状態がほとんどですが、今作は曲が流れるシーンもあり、エンドロールにも曲を使用しているところが違った印象を与えます。

今作は愛を語った作品であるらしく、そのためには必要な演出だったに違いない。
ダルデンヌ監督作品の中では異色の光を放つ存在。
ザン

ザンの感想・評価

3.7
深い。いると信じる体内の存在は彼女自身のアイデンティティか。
netfilms

netfilmsの感想・評価

3.8
 アルバニアからベルギーへ渡ったロルナ(アルタ・ドブロシ)は、ブローカーのファビオ(ファブリツィオ・ロンギオーヌ)の手引きで、麻薬中毒のベルギー人クローディ(ジェレミー・レニエ)と偽装結婚する。ロルナも、同郷の恋人ソコルとバーを開くという夢のため計画に乗るが、クローディと暮らすうちに罪の意識が芽生える。今作でもブルジョワジーなど一人も登場せず、社会の底辺に生きる登場人物たちをひたすら描く。主人公の夫はヤク中で仕事などとても出来る状態ではなく、主人公に依存して生きている。何かにつけてすぐに電話をしてきたり、翌朝早いにも関わらずトランプ遊びを求めてきたり、ヤク中らしく情緒不安定でその行動には一切の理性がない。完全に子供である。そんな様子を目にしても、彼女は新たな偽装結婚のためにブローカーと結託し黙々と準備を進めている。彼女の行動は常にブローカーによって監視され、自由を奪われている。犯罪の片棒を担いだ手前、逃げることも出来ずそこに主人公の意思などない。思えば前作『ある子供』でも、一度は人身売買が成立したがそれをキャンセルしたことが原因で、主人公は組織にペナルティを課され追われる身となる。そういう逃げ場のない状況に主人公を追い込むことでドラマを生み出す。

 それでも同郷の恋人ソコルとの淡い思いだけが彼女を動かす原動力になる。ヤク中のクローディともブローカーとも違う彼との平穏な時間だけが主人公にとって救いになっている。『ロゼッタ』においては主人公は成人には程遠い思春期の少女だった。『息子のまなざし』では11歳で罪を犯し、5年間服役した少年という設定だから、16歳の少年ということになろう。『ある子供』でも若いカップルはおそらく18,9だったと思われる。これまでのダルデンヌ作品は成人に満たない彼ら彼女らの目を通して、ベルギーの労働問題や社会問題に触れることに大きな意味があった。それが今作では一転して子供の姿がどこにも出てこない。唯一想像妊娠した主人公が、妄想に取り憑かれた状態で赤ん坊の夢を見るが、結局は赤ん坊はいないとばっさり切り捨てられる。今作に出てくる登場人物たちは全員が立派な大人であり、大人が犯罪に手を染め、ドラッグ中毒になったりしている。ラストに流れるベートーヴェンのクラシック音楽からも、ダルデンヌ兄弟の変化は十分すぎるくらい伝わるのだが、果たして進化なのか退化なのかの判断は人によってまちまちだろう。だが35mmフィルムからデジタルへの変化はダルデンヌ兄弟のフィルモグラフィの重要な転換点となっている。
ヒロインのロルナの感情の動きに同性として共感できるところがほとんど無く、「あーあ」で始まり「あーあ・・」で終わってしまった。外国映画を観ていると、社会背景も年齢も立場も全く異なるキャラクターであっても、同じ女性としてヒロインにはどこかしら共感したり人間的な魅力を感じられることが多いので、それこそ祈るような気持ちでストーリーを追っていたが、残念ながら最後まで感情移入しきれずに終わった。
Ridenori

Ridenoriの感想・評価

3.8
ダルデンヌ兄弟が描く、愛の奇跡。
にして第61回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作品

ベルギー国籍を得るために麻薬中毒者のクローディと偽造結婚した主人公ロルナ。最後は証拠隠滅のために過剰摂取で彼を殺害する計画を立てていた。
しかし彼女を頼りに本気で薬を断とうとする彼に対しロルナは新たな感情を感じ始める…

BGMほぼ一切なしの静かな映画だったけどそれがより日常のリアリティーを演出していた。

自転車に駆け寄る幸せなシーンから一転、クローディの葬式準備。
途中の説明を一切抜かして転換するのはちょっとわかりにくかったけど、斬新で対照的なものを描写するのにすごい有効的だと感じた。

静かに心揺さぶられる映画でした。
なにわ

なにわの感想・評価

3.0
ロルナのはじける笑顔。
見終わった後、あのシーンがもう一度見たくて巻き戻しては何度も見た。
ネット

ネットの感想・評価

3.0
ダルデンヌからサスペンスを抜くと、他にどこを見れば良いのかわからなくなってしまう。予告編で一目惚れした、笑顔で走り出すカットはまあ好きだけれども。
なぜ手持ちで長回しをするのか、ということをずっと考えていたが、よく分からない。私を殴って、というところの緊張感。
ダルデンヌ作品が好きでみたが、正直難しかった。

ダルデンヌ作品特有の暗闇のシーンが多く、印象的。

ロルナがどんな思いで、どんな心情の変化で、あの祈りまで行き着いたのかが自分の中でよくわからなかった。
ヨーロッパの移民問題にメスを入れた作品は数多くあります。その中でも本作の出来は、かなり優れたものになっております。
主人公ロルナはお金を得るために偽装結婚をします。その相手とは麻薬中毒者であり、いずれは命を落としそうな若者でした。
映画の前半は、そんなロルナが夫の世話をしているところを中心に話が進みます。当然そこに愛があるわけでなく、あくまでも彼女にとっては仕事だったのです。そうは言っても、そこは人間同士です。時間を共有することによって、愛が生まれるのも不思議ではありません。ヨーロッパでは根の深い移民問題ですが、一個人として移民とふれ合った場合はそうなるものだと納得してしまいます。
ロルナの彼に対する献身的な看護に本来人間が持つ優しさが見事に描写されてました。それだけに後に起こる悲劇が衝撃的でありました。彼女の愛情が悲劇に感じさせてしまったのですね。
とにかく見応えがありました。さすがはダルデンヌ兄弟ですよ☆
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