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ロルナの祈りのkazのレビュー・感想・評価

ロルナの祈り(2008年製作の映画)
3.6
良くも悪くも相変わらずなダルデンヌ監督の作風なんですけど、今作は一風変わった印象も受けました。

好みは真っ二つに分かれそうですが、個人的には淡々と観ているのは嫌いじゃないので毎度見入ってしまいます。
そして最初は一体どういう話なのか分からず、観ているうちに徐々に明かされていく話の展開も楽しみの一つ。

今作は全く予想のつかない展開を見せるストーリーで、まず理解できたのは、主人公の女性ロルナはベルギー国籍を取得するために偽装結婚をしているということ。
そしてその相手はヤク中だということ。
更にロルナはその裏で別の行動に出ていて…という話。

前半と後半で全く違った様相を呈する展開が新しいし、ダルデンヌ監督作品は毎回ショッキングな見所があるんですけど、今作は割と強烈でした。
いつもBGMもなく無音な状態がほとんどですが、今作は曲が流れるシーンもあり、エンドロールにも曲を使用しているところが違った印象を与えます。

今作は愛を語った作品であるらしく、そのためには必要な演出だったに違いない。
ダルデンヌ監督作品の中では異色の光を放つ存在。
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