長崎県・佐世保市にある老舗酒造の蔵主・竹多建造は絵に描いたような職人気質の男。その蔵を継ごうとする、蒼・潮・渚の3兄妹。3人は何度も自分の酒を作ろうと試行錯誤するが、父が本当の意味で納得するものが作れず、家族関係は良好とは言えなかった。その鎹となっていたのは母の幸恵であったが若くして他界してしまう。母の死を機に東京で自分の居場所を探す末っ子の渚であったが、父が認知症を患い一時故郷へと戻る。数年ぶりの実家であったが、家族関係は悪化する一方で辟易する渚。だが父の症状は深刻化し、次の新酒お披露目が最後の機会になるかもしれないと知った渚は、潮と共に新酒作りを試みるが…そこには高い壁が立ち塞がっていた。