カント

ボウリング・フォー・コロンバインのカントのレビュー・感想・評価

3.8
銃による武装か?銃規制か?
アメリカ銃社会の是々非々を問う意欲的ドキュメント。
マイケル・ムーア監督自身が突撃リポーターでインタビューしまくる。

先進国の年間の、
銃による殺人事件は
フランス300件、
イギリス200件、
カナダ200件、
日本30件、
で……
アメリカは年間、1万1000件!

マイケル・ムーアじゃなくても、「なんで!?」と聞きたくなるデータ。

銃社会の矛盾と言うか、
瑕疵(カシ)と言うか、アメリカの底流のヤバさが浮き彫りになる。

KKK≒NRAって無理やり因果関係を結びつけるのは戴けない。

NRA(全米ライフル協会)は政治と癒着しまくってて、私嫌い。
※全米最大の悪しき圧力団体と私は思ってます。政治家はNRAを敵に回すと絶対に当選出来ない。

当のムーア監督自身もNRAの会員ってのが笑える。
銀行口座を開設すると銃を貰えるキャンペーン。
実際にムーアが開設して銃を受け取って「銀行で銃を構えるのってヤバくない?」ってのは余興(笑)

アメリカがヤラかしちゃった近代から現代の史実をクロニクルに紹介。
ナチスの残虐も、日本兵が支那人を銃殺するシーンも、同列に置いてくれちゃってます。

NRAの代表格で、ヘストン氏を悪玉に仕立て上げてますが、ムーアもNRAの会員(しかも生涯会員)なので、ヘンな感じでした。

被害者の立場に立脚するのは評価しますが…
エンディングに(アイロニーなんだろうけど)
ジョーイ・ラモーンの「この素晴らしき世界」で、全てギャグに思えてしまうのは私だけ?
2015-2-12
カント

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