MacCoiSugiyama

ボウリング・フォー・コロンバインのMacCoiSugiyamaのレビュー・感想・評価

5.0
 「アメリカでは何故、同じくらい銃が普及した国と比べても銃による犯罪が多く、絶えないのか?」...この疑問に対する答えがこの作品の中にはある。
 作中、銃乱射事件の際911にかかってきた通報の録音が度々流れ、当時の報道映像も流れるけどそこには恐怖と悲しみに顔を歪め、涙した人々の姿があった。
 次に飛び込んできた映像は壇上で銃を握る男性の姿だった。「死んでも銃を手放さない」...事件の直後、事件の起きた街で、自身の大会でこう豪語したのはNRA、全米ライフル協会会長である。
 この映画を観て思ったのは、やはり道具はそれを使う人間の様々の要素によって頼もしくも凶器にもなると言うことである。作中アメリカ同様銃が普及しているにも関わらず犯罪が少ないカナダの人達のコメントでは「アメリカはテレビをつけると悲劇ばかりを追っている。そして様々なものを危険視させ、国民に不安を煽る。人種差別も酷い。」...実際カナダでは多くの人々が家のドアを施錠せず、その映像も作中で取り上げられている。なぜか?是非この映画を観て頂きたい。
注: ちなみに私は映画などの影響で銃にカッコ良さなどの魅力を覚え、10丁以上のトイガンを持ち、たまにサバイバルゲームもしている。しかし私はごく平凡な、ごく普通の大学生として生活している。トイガンや実銃に対する世間の冷たい視線は承知している。銃器を趣味とするのはそれだけの責任を負うということを意味し、そしてそれはある種大人の遊びであることを暗に示している。問題があるとすれば、それは道具ではなく人間の方である。
MacCoiSugiyama

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