shigatakeshi

ボウリング・フォー・コロンバインのshigatakeshiのレビュー・感想・評価

3.8
99年・アメリカ、コロラド州で起きた、コロンバイン高校銃乱射事件の背景に迫ったドキュメンタリー。

この作品はレビューが難しい。切り口に迫らざるを得ないけど、語るほどメディア論なんて知らない。ずっとモヤモヤ。

この作品が面白いと思うのは、真面目なドキュメント作品でなんなら教育の目的で使われるかもしれない文脈なのに、エンターテイメント性が高い。子供のような視点で疑問を抱き、大の大人が、時間とお金をかけて取材を行う、あきれる崇高さを感じる。

このふたつの共存は、普段あり得ないから、決してバランスがいい状態でなくても、さらに不謹慎さは残ったにしても、2時間見させるバランスは、観客としては、おやっ、に値するんだろう。

と思っていたら、漫画家の江川達也さんがビシッと言い放ったのを聞いて、すごいと思った。

(以下引用)
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教育とエンターテイメントは真逆だと、筆者は考えている。

教育は現実に向き合いどうにかするためのものであり、エンターテイメントは、現実から逃避して楽しむためのものなのだ。

そう、教育は「向かう」。エンターテイメントは「逃げる」ためにものである。なので、教育という方向で評価するのか、エンターテイメントという方向で評価するのかで、作品は、真逆の評価となる。
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この発想はなかった。
レビューを書こうと思ったブレイクスルー。

なんか整理つかないので、やめとくけど、
(なんて無責任な・・)

食い合わせの悪い食材も優秀で野心的なシェフにかかれば、こんな料理になります的な珍味のような作品かなと。キリッと辛口の日本酒あたりが合いそうです(笑。
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