複雑な環境で育った父親が妻子と共にバン生活を送りながら幸せを掴もうとするが、様々な社会的障害・困難に直面する……というプロット。このタイトルなので日本的な要素があるのかと思いきや少なくとも物語上は無かった（テーブルゲームの「ミカド」に由来する主人公の別称だそう）。

社会派要素込のストレートな人間ドラマで、ネグレクトや養親問題がベースにあるが、＂思い通りに行かなかった過去の清算を子供に押し付けてしまう＂という最悪の堂々巡りには、非常に共感出来る所がある。主人公ミカドと長女、先生へのフィーチャーがメインだけど、各々の社会的背景を鑑みればどの人物も間違った事をしたい訳じゃない、けれども最適解が分からず状況がかえって悪化していくという悲痛さ。何とも心痛で、自分自身も今を省みて未来を考えてしまう作品だった。