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異邦人のspacegomiのレビュー・感想・評価

異邦人(1967年製作の映画)
3.8
ヴィスコンティ①

原作カミュ、ヴィスコンティ×マストロヤンニ×アンナカリーナというもの凄い組み合わせなのに日本じゃソフト化すらされていないという不遇な扱い…
原作にかなり忠実に作られているようで、ヴィスコンティの強い作家性を感じ取ることはなかったが、アルジェリアの海のギラギラした輝きは映像でこそ味わえる。アンナカリーナの演技めいた演技もどこか新鮮である。

社会が期待する「人間性」や「自然な感情」から外れた時にそれを非難、疎外する大衆心理。その根底には自らの尺度では理解できないStrangerに対する畏怖の念があるのだろうか。
他者からの自己像は当人の知らぬ間に肥大化し、自己との乖離に絶望する。不条理であり、むなしさや諦念でもあるような。やっぱり、全然他人事に思えないのである。
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