ひたる

シックス・センスのひたるのネタバレレビュー・内容・結末

シックス・センス(1999年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

アマプラで復活していて遂に観ることができた。

結末を知っていたことが悔やまれる名作。かいばしらさんの映画紹介をサムネに釣られて見てしまったのは大失敗。「全人類がオチ知ってるやつ」は嫌でも目に留まる。動画内で同様に挙げられていた「猿の惑星」は絶対にネタバレを踏まないと強く心に誓った。

冒頭の事件発生時のカメラワークが印象的。凶弾に倒れベッドに沈む主人公。画面は扉の向こうに立っている犯人へ移る。自らの頭に銃を静かに突きつけると画面が左にスライド、壁で埋め尽くされたところで発砲音。そのままカメラは左にスライドしていき夫の元へ駆けつける妻に焦点が当たる。3人の挙動が場の緊張感を保ったままシームレスに繋がる画面作りはカメラワークの1つの完成形と言えるだろう。

主人公は前述の事件で既に死んでいるのだが本人は気付かず1年と少しの年月が流れる。死者が禍々しいものとして描かれていないのは当時画期的だったのだろうか。

人を待っているときの落ち着かない仕草を主人公に対して相槌を打っているように見せかける演出は上手かった。完全初見だったら騙されていた自信がある。死者は鏡に映らないなど細部も徹底していて世界観にどっぷり浸かれた。

個人的に病弱な娘が母親の虐待を死後暴露するサイドストーリーが好き。身体が不自由な娘に朝食を持ってきて食べさせてくれる献身的な母親。それが世にも恐ろしい存在に様変わりする流れが面白い。世間体の重要性がわかる。最近観た「RUN」も主人公が行動を起こさなければ同じ結末に終わっていたのかもしれない。今作に影響を受けて作られたのだろうか。
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