久しぶりに再見。
伝説として誉高い吹替版、ではなく字幕にて。
この映画は軽いコメディだがかなり《映画IQ》は高い。保釈金融、壊れた腕時計など「お膳立て」は完璧。ストーリーの骨格はオーソドックスだが次第に明かされるお互いの人物像は、ミステリでさえある。
いやホントこの全体の「軽さ」で軽視されるが諸々のオリジンだって。グリーンブックの製作者がこれを観ていないはずもなく、9年振りの再会が「金を借りるため」(なんて最高なイベントよ!)など、どれだけの映画にパクられてきただろう(フルモンティだって脚本家はこの映画をぜったいに経由している)。
リスペクトすべき良作。また、これ。
吹替版がいいことも付言しておく。知る人はこのアプリじゃ少ないだろうからさ。
以上大前提にして「再見」時の穴を伝える。
▶︎最愛の人のクルマ、簡単に放棄しすぎ
▶︎爆破ヘリに、すっとこコンビは乗ってない
▶︎ラストFBI、会計士を解放しすぎ
別に致命傷ではないが気にはなる。
リファレンス(再検証)はこれだからいい。
若い頃興奮した作品は折を見て再確認するとまた違った発見がある。この映画もまた随所で完璧ではない。
が、会計士チャールズグローディンはデニーロを喰う勢い。改めて感じる。受けるデニーロもまた(重くならず)素晴らしい。彼らの丁々発止は時代を超え我々の記憶に留まり続けている。