藤井樹は学生時代の藤井樹とはそんなロマンティックなものじゃないと言ってはいるけど、その藤井樹との思い出を聞けば聞くほど、その言葉の信憑性がどんどん薄くなっていってて、渡辺博子も多分途中から気付きながら手紙を読んでいたんだろうなぁ。めちゃくちゃ複雑な気持ちで切なくなるけど。藤井樹もおそらく大人になって成長して、あの頃踏み出せなかった一歩を渡辺博子と出会って踏み出せたんだろうし、藤井樹も渡辺博子もどっちも心から愛してたんだろうな。それでもやっぱり渡辺博子の心情は複雑だよねぇ。分かってはいるけども。そしてLove Letterというタイトルがまた素晴らしい。渡辺博子、藤井樹、それぞれのラブレター。何はともあれ、儚くて美しい恋愛映画だった。
