米まき米

Love Letterの米まき米のレビュー・感想・評価

Love Letter(1995年製作の映画)
4.5
今日まで見なかったことを悔やんだり、今日見れたことを良かったなとジワジワ感動したりしました。

気になっている方は、ぜひ、ご自身のタイミングでご覧になって下さい。

ひとことで言うと初恋の話
なにかのきっかけに、あとから恋心だったと気がつく瞬間がたまたま訪れたことがある方は共感なさりやすいと思います。

もし、樹くんが遭難することもなく、亡くなることもなければ、誰も知らないまま(樹くん自身は意識していたように思いますが)、それぞれの人生が終わったかもしれません。

それだけでなく、
同姓同名のクラスメイト、住んでいた家が国道建設で住宅でなくなる、転校のタイミング、写真撮影を頼まれて卒業した中学校で自分のことを覚えている担任の教師に会う、図書整理の作業中、偶然の積み重ね。

そして、この映画を見終わったあと
いま、自分に起こっている何気ないことや当たり前のことも、もしかしたら知らないうちに自分や他の誰かの偶然の積み重ねの上に起こっている奇跡なんじゃないかと、感謝の気持ちがじんわりわいてくる。

松田聖子が好きなわけじゃないのに「あ〜私の恋は〜南の風に乗って走るわ〜」を歌いながら最後の時を迎えるのも印象的です。一緒に遭難した仲間を励ますためだったのか、夜と霧のフランクルのように希望を持っていたようにも思います。

小樽の樹ちゃんのお父様を亡くした家族の傷が癒えていくように感じることができたのもすばらしいです。

ある人の心を丁寧に扱うと
こういう作品になるんだなぁ、と思いました。

この監督が関わった作品でハルフウェイも良い作品だと思います。
米まき米

米まき米