みおこし

狙撃者のみおこしのレビュー・感想・評価

狙撃者(1971年製作の映画)
3.7
ロンドンを牛耳る大物ギャング、フレッチャーの右腕的存在である凄腕ギャングのジャック・カーターが、故郷のニューカッスルに戻ってきた。飲酒運転で交通事故死した兄フランクの葬式に出席するのが目的だったが、いつしかジャックは兄の死に疑問を感じるようになる…。

マイケル・ケインの代表作のひとつで、イギリスが誇るギャング映画の名作をようやく鑑賞。列車が走る様子を捉えたオープニングからとにかく時代を感じさせないスタイリッシュさで圧倒されたのですが、このクールな雰囲気には後にクエンティン・タランティーノやガイ・リッチーも大きな影響を受けたとのことで、それも納得。
従来のアメリカのギャング映画はハードボイルドさが売りといっても過言ではなかったわけですが、本作では主人公カーターがあえて殺人や犯罪を繰り返していく様子をあえて淡々と描いており、当時としてはきわめて斬新だったことがうかがえます(ちなみに同じくギャング映画の名作である『ゴッドファーザー』も翌年にアメリカで誕生)。
当時38歳のマイケル・ケインは、ほとんど笑顔を見せないクールさと『アルフィー』などで見せたプレイボーイっぷりを本作で余すところなく炸裂。アクションはあまりスタイリッシュな感じはなかったけれど(正直ですみません笑)色気とミステリアスさがとっても素敵でした!

ラスト30分の畳みかけと、臨場感あふれるカーチェイスも見事!衝撃的なエンディングにも唸りました。
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