たまに、海外アニメをみると、思わぬ傑作と出会うことがある。
この作品も然り。
アニメはアニメでも、クレイアニメーション。
ストップモーションアニメのジャンルに含まれる、
粘土を使って作られた作品のことを、“クレイアニメ”という。
アニメといえど、ストーリーは濃いめの味付け。
貧しい家庭に生まれた、アル中の母を持つ8歳の少女と、アスペルガー症候群の中年男性の文通物語。
これだけだと、心あたたまる物語に聞こえるが、この映画はここからが始まり。
文通は数十年に渡り、物語は思わぬ葛藤の物語へと進んでいく。
一筋縄ではいかない人生、現実的で、人の心はわからない。
柔らかい印象を得るアニメで、こういう大人向けの物語を作るんだという、衝撃的な感動は未だに忘れられない。
しかも、この作品は実話から誕生したというから更に驚きだ。
粘土に魂が宿っている、とさえ感じた。