もんてすQ

KIDS/キッズのもんてすQのレビュー・感想・評価

KIDS/キッズ(1995年製作の映画)
3.9
やっっっっっっっっっと!!!
やっと見れました、幻の名作『KIDS』

本旨とは大きく外れる話ですが...
本作はDVDが廃盤となっており、中古でも2万円は下らないプレミア価格が付いている
ヤフオクでは明らかなコピー商品しか出品が無い...

レンタルはDVD盤では禁止らしく、唯一頼れるのがレンタルでのVHSビデオでした
(今どきVHSを扱っているレンタルショップなんて滅多に無いどころか、VHSの再生機器までわざわざ買いました...)
この時世にVHSって...しかし中古ではVHSすらも1万5000円と非常に高価...
それなのに、知名度に関しては非常に高いのが謎だったのですが...



ラリー・クラーク&ハーモニー・コリンという、ストリートアート系メンヘラ映画家のタッグによって作られた本作
どうせ胸糞悪いストーリーだろうと知りつつ、あまりにも有名な映画なので好奇心から見てみました

人間はレア度の高いものほど欲しがってしまうものです...



少年二人組テリー&キャスパーと、少女ジェニーのシーンが交互している構成です

とにかくローティーンの処女とセックスしまくるのが趣味テリー
「君だけだよ〜いつも君のことだけ考えてるよ〜」と甘い言葉で落としまくります
からの、キャスパーや仲間たちと万引き・ハッパ・スケボー・集団リンチをしたり駄弁ったり
『エイズなんて子供が感染する訳ないぜ〜大袈裟なんだよな〜』とか言って盛り上がったりしてます

一方、テリーとしか性交の経験がないジェニー
遊びまくりの友人の性病検査に、あくまで付き添い役として保健所に行った結果、なんと友人は全くのクリーンだったのに対し、自分がエイズの陽性だと告知される事となります
涙を流すジェニーは、「とにかくテリーを探さないと」と言って、当て所なく町中を探し始めます

衝撃のラストを見逃すな!



本作で感じたのは性病の恐ろしさだけでなく、東洋人に対する蔑視や、同性愛者への凄まじい差別です
また10歳前後の子供たちが年上をマネて、5人位でマリファナを回すシーンが凄かったです
(こういうシーンがあるためにDVDを再発できないのかもしれません)

色々とアメリカの負の側面を叩きつけられるのですが、一方でクラブやパーティのシーンなどは映像美にも凝っていると感じさせられます
いたずらにショッキングな画を撮るわけではなく、問題提起と併せて『映画』の体裁を崩さずに仕上げていると思いました



(倫理的な問題を棚に上げるとすれば)映画として優れた出来であり、個人的にも意外と好きになれたので、DVDの再発かVODでの配信を期待したいです
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