この映画の余韻を引きずって、また三谷幸喜を観てしまうのだ
その度に失望を繰り返すというのに…
たしか冬の寒い日に、映画館で観たのだ
心の底から笑い、仕事で抱えたモヤモヤも吹っ飛んで、何とも幸せな気持ちで家路に着いた
今でもDVDのジャケをみただけで、あの日の記憶とともに心が軽くなる
役所広司や佐藤浩市ら魅力的なキャストが並び、篠原涼子なんかも顔を出していた
ストーリーはテンポよく進み、罪のない毒がまぶされ、文句なしに楽しめた
グランドホテル形式っていうのも、この映画で知った
グレタガルボの「グランドホテル」を見たときに、ああ有頂天ホテルみたい!と思ったほど
ほどなくしてすれ違いが始まったと思う
映画の内容は変わらず面白かった
ただ、深津絵里が合わなかった
嫌いというのとも少し違う
可愛く思えないのだ
ヒロインが別の女優さんだったら
願いもむなしく、三谷は深津を使い続けた
そのうち内容にまで、疑問が沸き始めた
あれ、またそういうオチ?
あんたも好きねぇ
トドメは「ギャラクシー街道」
ヒロインは綾瀬はるかで願ってもない
が、中身は酷いことになってた
キャストはマンネリ
ギャグは古くさい
三谷幸喜の次回作を楽しみにする気持ちが、しなしなと萎えていった
翻って有頂天ホテル、あれはまぼろしだったのだろうか
続編でも何でもいいから、あーいう心から楽しめるのをもう一回作ってくれないかな
で、冒頭に戻る
《昔好きだった人へのラブレター》