ラーム・チャラン演じるやんちゃ者Ramaと兄達との絆を軸としたホームドラマ＋バトルアクション。粋で華やかなダンスシーンだけでも見る価値あり。主役はもちろんアンサンブルや空間構成までセンスが良く、ショーのような見応えなので。

【ストーリー（仮）】
やんちゃ者のRamaは、赤ん坊のときに4人の孤児の少年達に拾われて、末の弟として慈しんで育てられた。成長したRamaは兄達とその妻達、姪っ子・甥っ子、養父という大家族でわちゃわちゃと暮らす。長兄は高潔なエリート行政マン。決然として不正と闘うので敵もできる。Ramaは強情で人に頭を下げられない性格だが、ひたすら家族を思う可愛げのある末弟で、姪・甥の面倒を見る若い叔父。そしてひとたび家族に危機が迫れば…強い、とにかく強…ええっ！

【感想】
ダンスシーンがとにかく麗しい！　ドラマ部分は、わちゃわちゃが楽しく、時にコテコテ、やがてしんみり。家族思いだが強情なRamaの「謝罪する・しない」が、騒動にもコメディにもシリアスにもなるのが上手い。これがタイトル（英訳だとThe Obedient and Loyal Rama（従順で忠実なラーマ））と関係するのかな？　長兄の妻が考えをしっかり語るのが格好良い。愉快なひとコマに見えたものが物騒な全員集合の伏線だったのもいい。

一方で、アクション関係は、私がアクションになじみがないせいで上手く説明できないのですが、レトロな少年漫画風味？というのか日常を越えた表現に、最初えっ!?となりました。でも、様式的な悪役との闘いは昔から娯楽ものでは珍しくないようですし、飛躍のある表現はこの監督の味のようですね。見ているうち、これらも含めてチャーミングで気軽な娯楽作と感じるように。

難点は、場所と時間の両方が交錯する構成の分かりづらさかと。ただ、配信で英語字幕の地名に注目してメモを取って見たら、だいたい分かった気もします。空港の所在地には裏設定を考えないといけないかもですが。

（2025年3月に配信と企画上映（いずれも英語字幕）で鑑賞。なお配信版と劇場上映版では編集が若干違った。4月にfilmarksにタイトルが存在して☆も付いているのに気づいて書込み）

まばたきするのが惜しいほど、ラーム・チャランが素敵です。

数々のダンスシーンも良い。何よりも「俺の名前は!」と名乗るシーンが最高で、帰宅後すぐ配信で反復再生してしまいました。