マイノリティ

マネーボールのマイノリティのレビュー・感想・評価

マネーボール(2011年製作の映画)
4.1
良かったです!

今作は、誰もが"無理"だとか"不可能"だと言われた事を成し遂げた男の奇跡の実話です!

僕みたいにメジャーリーグに詳しくなくても、野球ファンならずとも楽しめる感動作だと思います!

若くしてメジャーリーグチーム「アスレチックス」のGM
(ゼネラルマネージャーの略でチームの選手の能力を見極めて選定、その交渉、経済的な側面からのチームの運営等、チーム全体を総括する人の事です)
になったビリー・ビーン。

アスレチックスは経済的にも乏しい為、主力選手が多額の契約金により他のチームに移籍、
または欲しい選手を手に入れられない。
という状況から試合も負け続けています。

ビリーはある日、他のメジャーリーグチーム「インディアンズ」に交渉に行きます。

そこで、ピーターという男を見つけ、チームに加えます。


それは選手では無くビリーの右腕として。


「打率よりも出塁率」

ピーターの唱える統計学に基づいた理論は歴史的に見ても前例が無く、当然、古参でベテランの考えとは全く意見が合いません。

しかしピーターの理論に絶大な支持を置くビリーは、その考えを曲げずベテランとぶつかります。


そいつはケガして使えないぞ。
あいつは歳でもう走れない。

そんなヤツら入れて、ビリーはホントに大丈夫か?

周りの異論も完全無視。
ビリーは引退寸前、誰からも声もかからない者ばかりを選手に起用します。

全てはピーターの理論に基づいて。

試合の事そっちのけで選手のスキャンダルな内容ばかりを問う、半ばバカにした様なマスコミ。

不安が募る「アスレチックス」の監督とビリーとの意見の相違。

誰に白い目で見られても変人扱いされてもビリーはピーターの提唱する理論を信じ続けます。


そして、誰もが信じなかった奇跡を起こし始めます!

まず今作を観ていて思ったのはメジャーリーグの選手獲得の為の交渉がかなり露骨だという事です!

「君に○○ドルでウチのチームに来て欲しい」と
本人や、家族の前ではっきり言ってました。

あと、選手の移籍先の人との交渉とか逆に引き入れる時のやりとりも何か言い方は悪いけど"人身売買"みたいでした。

かつては「ウチに必要だ!」
とか「君には才能と無限の可能性がある!」とか言って"買い"、

使えなくなったら"売る"。

ちょっと酷いなあ。
と思うけど、それだけメジャーリーグの世界はシビアで厳しいのだと思いました。

ビリーもそうやって"買われた"選手の一人で、そこについては若干触れますが、湿っぽい感じには描いて無かったけど、彼が違う形であれ、球界に残ったのは選手時代の自分の不甲斐無さや悔しさを"挽回"、"起死回生"を図ろうとしたのではないか?
そんな事を思いました!

そして、そして!
アスレチックスが、ビリーとピーターが起こした"奇跡"のシーンは鳥肌が立ちました!

終盤のビリーの行動もカッコいいです!

そして爽やかなラスト!

キャストも豪華!

ビリーを演じたブラッド・ピットがめちゃめちゃいい!
キャラクターも彼にピッタリでした!

ビリーの元で活躍するピーター役のジョナ・ヒルも素晴らしかったです!
大人しく控えめだけど、いざという時は腹が座る熱い男を熱演していました!

他にも僕の大好きなフィリップ・シーモア・ホフマンやクリス・プラットも良かったです!



人々の成功の"カタチ"は様々です。
今作のビリーみたいに「金なんて意味が無い」と考える人も居ればピーターみたいに「金額はあなたの"価値"の額だ」と考える人も居ます。

僕も金には魅力があるし、幾らでも欲しいです。

しかし、その金によって自分の人生まで縛られるのは嫌だと思いました。

自分の生活や人生を豊かにする為の手段の一つとして使いたいなぁ。

そんな事を思いました。