しましま

帝都大戦のしましまのレビュー・感想・評価

帝都大戦(1989年製作の映画)
2.7
前作帝都物語の続編。

太平洋戦争末期の史実に沿いながらのifストーリーになっていて、丹波さん筆頭に霊的ほにゃららやらナチスの秘密兵器やらなかなか序盤からきな臭い単語が飛び交うが、本シリーズにおいてこのようなやり取りは何の違和感もない。

一億総玉砕より、軍部の要人を呪殺し戦争を終結させるのだー!というなかなかド変化球な戦争批判は切り口斬新で面白い。

と、ここまでは評価できる。


ここからが問題。
前作に引き続き魔人加藤は健在で相変わらず嶋田久作が不気味なのだが、イマイチ前作程の迫力がない。見慣れてしまっただけなのかもしれないが、恐らく今回昼間のシーンが多いからか。
あと加藤の魔力と、科学・霊能力を駆使した加藤雅也とのサイキックバトルが本作一番の見せ場なのだろうが如何せんショボい。技術云々の話以前に「え、これだけ?」的な薄っぺらさ。これが実に致命的。

ストーリーはかなり難解な前作と比較し分かりやすくなったが、その分緻密な設定や「なんかよく分からないけどすげぇ」感覚が削がれてしまった。
この辺は好みの問題だけど、私は前作の人知を超越したナンジャコレ感と力押し感が好きだったな。
学天即Mark.Ⅱとか出してくれたら喜んで加点してたけど、総じて退屈な作品。

キャストも前作のオールスターキャストには遠く及ばず。ヒロイン南果歩もいささか存在感足りず役不足。

ああ、でも野沢直子はよかったわ。