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実相寺昭雄監督作品 ウルトラマンのmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.4
タイトルにもある様に実相寺昭雄監督作のウルトラマンだけで再編集した映画。テレビシリーズの一監督だけでチョイスされる貴重な作品だよね。
他にも飯塚敏宏など名監督はいるけど、実相寺という作家性が強い独特な演出家故のピックアップだと言える(80年代に向けてのこの時期の実相寺の評価の高まりもあるし)
その作家性故にテレビの再編集のオムニバス形式でも、何処か映画っぽい。
何をもって「映画っぽい」かは説明し辛いんだけど、逆に言うと「映画っぽいとは何かを読み解く鍵」を考えれるのでは無いか?
例えば極端なアオリや、被写体前に対象物を置くなど独特な構図は絵面が単調にならない。
またメッセージ性と娯楽性の調和の取れたストーリーに一役買ってる。

内容はガヴァドン回、テレスドン回、ジャミラ回、スカイドン回、シーボーズ回。残念ながらガマクジラ回は無し。
ジャミラ回が極端にメッセージ性が強いけど、他は案外コメディ色が強いんだよね。シニカルでもあり牧歌的でもある。

再編集の際の追加カットとして、話と話の間に、科特隊基地のマット画などが入る。それだけなんだけど、基本的に科特隊メンバーが話の中心で有ることが更に明確になる。
「長編怪獣映画〜」だと、科特隊目線だったり子供目線だったり、イマイチぶれてるんだよね。逆にガヴァドン回も子供から始まるけど、振り回される科特隊メンバーが可笑しい。

あと追加としてオープニングにビートルの図面が背景に流れるのも格好良い。
「ウルトラマンの歌」がささきいさおバージョンという違和感バリバリなんだが、それもまた味があってよろしい。
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