とみぷー

12モンキーズのとみぷーのレビュー・感想・評価

12モンキーズ(1995年製作の映画)
3.6
テリーギリアム監督ブルースウィルス主演のディストピアSF映画。同監督の『ゼロの未来』を観た時にも感じたことだが、この監督は自分の作った世界観を伝える能力が本当に長けている。最初の5分でこの映画の漂う終末感や気持ち悪さ加減をスマートに描いているのには尊敬の念すら抱く。キャラクターも味わい深い者が多く、特にブラピの演技には誰もが驚くことであろう。しかし、後半のあるシーン(ウィルスがビッグリボウスキみたいになる所)以降は、展開が明らかに読めてしまうのでサスペンス的な面白さが無くなってしまっていた。しかしそれも含めてこの世界が諸行無常であるというのが監督の意見であるとするのならばそれも致し方ないのかもしれない。ラストのあいつは一体『どっちの』あいつだったのか。それを考えるだけで面白いし、色んな考察ができるのが良いSFだと思う。色んな人と語り合いたくなる作品。
とみぷー

とみぷー