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チャーリー・ウィルソンズ・ウォーのとぽとぽのレビュー・感想・評価

3.5
これは実話ベースの政治ドラメディだ、でも最後でしくじってしまった…"いずれ分かる"よく書けた脚本とキャスト

自由国家代表"世界の警察"アメリカの本領発揮!…という大まかな内容の作品を外国(ドイツ)人監督マイク・ニコルズがメガホン取っているのが実に面白いポイントで、内容こそ違えど少し同監督『パーフェクト・カップル』なんかも思い出した。そんな人選も納得できる、だからこその"あの"ラストが、決して気楽に"アメリカ万歳!!"とはならない自省的な面/余韻を含んでいて良かった。むしろそれによって本作を好きになった。例えば本作より後のトム・ハンクス主演作『The Post ペンタゴン・ペーパーズ』等よろしく現実社会への課題/警鐘も残していく。そして、それこそが本作本来の製作意図/真意なのではないか、と。(ポスタービジュアル等から期待するような)思っているほどポップではない作品内容で、思っていたより賢く深い作品。
世界一愛される名優"いい人"トム・ハンクス主演 × ジュリア・ロバーツ共演!! 脚本アーロン・ソーキン(『ソーシャルネットワーク』『マネーボール』『スティーブ・ジョブズ』『モリーズ・ゲーム』)だったのか!そりゃいいよねとなった。秀逸なセリフがテンポよく繰り出される掛け合いと展開の速さに釘付けになっていく。あと少しダーティ/アダルトな部分もあったり。フィリップ・シーモア・ホフマンにエイミー・アダムスと大好きな2人もいる。ちなみに最初の方だけだけどエミリー・ブラントも。
女性好きで議員らしからぬ下院議員と、CIAらしからぬCIAがチームを組むことに?! 現地の惨状を目撃して、何かが彼を突き動かしていく…。これは西部開拓時代じゃなく第一次世界大戦でもなく冷戦だ、なぜヘリコプターを撃墜しない?大幅な予算増額による最新の武器と訓練。パキスタン、イスラエル、サウジアラビア、エジプトとまさかの横断が実現する"極秘戦争"。予算もたった500万ドルから10億ドルへと増えていく気持ちよさ!ただ本作には、"敢えて"なことは分かるが、当時らしい価値観/社会通念で同意しかねる部分も大いにあった。むしろ、そういう(世界に生きる)キャラクターたちが行動するから余計ドラマとして生きてくるというのも有るが。理想に燃えて助けるけど去っていく。

"You'll see."
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