とぽとぽさんの映画レビュー・感想・評価

とぽとぽ

とぽとぽ

坊やの人形(1983年製作の映画)

3.0

大人と子供、そして日常に潜む暴力も。親は必死だけど、子供たちはそんなこと知る由もない。家族のささやかな幸せの日々は、ある日突然少し上向きも奪われもする人生の突然性。

「坊やの人形」「シャオチの帽子」
>>続きを読む

風が踊る(1981年製作の映画)

3.0

play while you play

様々な障壁を乗り越えていく2人の台湾産ロマコメは、自己実現含めてまさしくタイトルの通りの作品だった。みなさまの繁栄と幸せを!

Rodeo ロデオ(2022年製作の映画)

3.5

自分の居場所と死に場所を選ぶ犯罪ドラマ

死を恐れたら何もかも慎重になる。開始早々、身勝手な振る舞いでキャラクターを印象付け、観客に好かれないタイプの主人公"名無し"ジュリア。バイクは体の一部、走るの
>>続きを読む

唯一、ゲオルギア(1994年製作の映画)

-

ジョージアの話をしよう

貧民は集まり飲み歌うことが好き。土地は常に歴史の断片を教えてくれる。そして、パンを焼くときのぺちんって貼り付け方!彼のフィルモグラフィー様々な作品の背景を読み解く上でも効果的
>>続きを読む

キャドー湖の失踪(2024年製作の映画)

4.0

自然がこの場所を作った…時を超えて壊れた家族を取り戻す決死のタイムリープ・スリラー!!

すごい!自然の神秘とはこういうこと。ほら、またこうやって面白い映画作る。これはなんとも求心力のある作品だ。一見
>>続きを読む

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

3.0

"ジョーカー"は いない、それがエンタテインメント

鬱屈とした空気が流れ不満の溜まる世の中・時代にたまたま共鳴して、象徴シンボルとして祭り上げられただけで、別に誰でもよかった替えの効く存在。出自不明
>>続きを読む

風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)

4.0

女の子の気を引こうとみんなで踊るのよかった

ヤンチャなアチンとその友人たち。兵役までのうだうだと無軌道に流れる日々には基本的に劇伴もなく(だからこそ流れたときの効果も)、ロングショットなど表情の読め
>>続きを読む

ソウ ザ・ファイナル 3D(2010年製作の映画)

-

"生還"

ジグソウの真の後継者は…新顔ポッと出のやつのタルい回想なんて興味ない。もちろん作品の性質上、ゲーム参加者の罪と罰を見る者への教訓として晒す必要があるのは理解できるし、それが無いと本当にただ
>>続きを読む

ソウ6(2009年製作の映画)

-

罪の深さを学んだか?

生の価値がわかる。自分のも相手のも命を大事にしない連中への自ら直接手はかけない(?)更生デスゲーム。
君が生きる者と死ぬ者を決めるのか?ピラニアな保険屋の生存率の計算式には、生
>>続きを読む

ソウ5(2008年製作の映画)

-

今までとは逆の方向を選べ

"発見の旅"人体の驚くべき耐久性。殺しより効果的で優れた方法がある。殺しは卑劣極まりない、誰にでもチャンスが必要。生き残れば更生する、更生と殺人の違い。偶然が入る余地はない
>>続きを読む

ソウ4(2007年製作の映画)

2.5

命を大切に。奴の命はお前次第だ、けど結局自分の命しか救えない。さながら究極の自警団に?
CHERISH YOUR
   LIFE

ノスフェラトゥ(1978年製作の映画)

3.5

ヘルツォーク✕キンスキー✕ヴァンパイア

愛が招いた悲しい結末…迷信や偏見、理解しがたい得体のしれないもの(ex. 異文化や新しい難病)に出会った時の人々の態度を歴史が表している vs 真実の愛・人間
>>続きを読む

田園詩(1976年製作の映画)

3.5

"やってきた都会者に色めく田舎者"の構図で、坂元裕二さんの『カルテット』も本作に着想を得たはず…?

そして、最後にはウルルン滞在記くらいの感動があるかはさておき地元民少女の淡い恋心。後年のカラーにな
>>続きを読む

歌うつぐみがおりました(1970年製作の映画)

3.5

何かに追われるように生き急ぐ無軌道な若者の劇的なラストまで命を燃やす

遅刻したり演奏を抜け出したりするティンパニ奏者の主人公ギアは、ルーズな自由人。よくクビにならないな!時間を守れない一方で、約束も
>>続きを読む

落葉(1966年製作の映画)

3.5

真面目・誠実さという美徳が失われ、馬鹿にされる世の中(そしてここでも職種による差)

ワイン発祥の地、歴史のあるワイン工場で同日から働き始めたニコとオタル。現場の人々と気さくに接しながら、こだわりを持
>>続きを読む

月の寵児たち(1985年製作の映画)

4.0

全員盗人
こちとら誇りを持ってやってんだ?人々と盗みや犯罪の近さを描いた裸婦画を巡る犯罪(クライム)群像劇

ご近所さんよろしく色々な人々の人生模様が交錯する群像劇職人オタール・イオセリアーニ監督らし
>>続きを読む

月曜日に乾杯!(2002年製作の映画)

4.0

月曜日の朝と労働者のタバコ=国が変わっても変わらないもの

工場で働く溶接工の主人公、憂鬱な月曜日の朝…列車に乗る直前までタバコ(みんなポイ捨て)、職場に着いたバスから降りる瞬間にはフライング気味にタ
>>続きを読む

四月(1962年製作の映画)

4.0

本当の幸せとは?脱・物質主義!物欲への警鐘、そこから解放されて…当時にこの境地・心境に至れていたのスゴい

本当に大事なものって?物欲って際限ないから、それって本当に必要なのかよくよく考えよう…あとに
>>続きを読む

蝶採り(1992年製作の映画)

3.5

蝶に群がる蛾

身分や金が人を作るのか?タイトルが意味するようなキレイなものを捕まえては飾るだけで、本質を見落としてしまわないように。古き良きものが近現代の産業化や資本主義社会によって、単なる金儲けの
>>続きを読む

素敵な歌と舟はゆく(1999年製作の映画)

3.5

"フリ"をして世の中と関わりを持つ

人生どう転ぶか・何が起こるか分からないし、人は見かけによらないこともある…?金持ち、物乞い、看板娘などが巻き起こすヨーロッパらしいオフビートな空気で描かれる群像コ
>>続きを読む

童年往事 時の流れ(1985年製作の映画)

4.0

切なく苦しくも人生とは切り離せない感情で胸いっぱいになって、なんとも言えない気持ちになる

親の死なんて耐えられるわけないのだから。親の想い、こうやって人生は回り、時は流れていくのだとしても。ああして
>>続きを読む

悪魔と夜ふかし(2023年製作の映画)

3.5

お知らせです

このTVショーのファウンド・フッテージものは総じて語り口は新鮮だけど、題材は割と普通(=普遍的?)。つまり、映画としては正解の作り。(たとえ比喩的であったとしても)富や名声、お金に目が
>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.0

【shoot】="撃つ"と"撮る"は同じな写真とカメラの暴力性…これは現代の"地獄の黙示録"か!

フロンティアからフロントラインへと、西部劇ならぬ"東部劇"な手に汗握る社会派アクション・スリラー。緩
>>続きを読む

夜の子供たち(1996年製作の映画)

3.5

雰囲気はあるけど、そこにカタルシスはない(=それがいいところでもある)ネオ・フレンチノワール

派手さはないけど、地に足のついた感じはある。そして、例えば3人のキャラクターA,B,Cがいたとすると、ち
>>続きを読む

アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学(1988年製作の映画)

3.0

故郷への想い

祈りは神に届いた…『故郷の便り/家からの手紙』ラストシーンの摩天楼の逆から始まる、ユダヤ移民たちの長い自分語りモノローグと、クスリと笑える小話コントが交互に繰り返される独白と喜劇のバラ
>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

4.0

人とうまくつるむことができない側の人たち

彼らが欲しかったものは…。合格~!!
《深川まひろ=冬村かえで》(【ふ】【か】がわまひろ=【ふ】ゆむら【か】えで)。ラストバウト前に名乗りまであって、それが
>>続きを読む

ビートルジュース ビートルジュース(2024年製作の映画)

3.5

ティム・バートン ティム・バートン

久しぶりにティム・バートンらしいティム・バートン注入した!一切ブレない世界観で大いに楽しめる♪今年のハロウィンは"俗世"から離れてこれで決まり!! リアルに生きろ
>>続きを読む

Cloud クラウド(2024年製作の映画)

4.0

黒沢清イズム溢れる怪作で菅田将暉が化ける!

ババ抜きから命を賭したゲームへ…不気味な空気、何か出てきそうな余白スペースのある構図に否が応でも緊張が走る。それらを実現する撮影カメラワークに照明ライティ
>>続きを読む

ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

3.0

カラフルでポップな色彩美で贈るミュージカル・コメディ!

タイトル通り時代性もあって?非英語圏のミュージカル久しぶりに見た、しかもそれがまさかのシャンタル・アケルマン監督とは。分かりやすい映画も作れる
>>続きを読む

一晩中(1982年製作の映画)

3.5

また淋しい夜が来て

(個人的に)アイデア勝ちないくつもの出会いと別れを紡いでいく恋愛群像劇。心地いい秋の夜中ではなく、寝苦しい・寝つけない夏の蒸し暑い夜にでも部屋を暗くして見てほしい一本。紛らわせる
>>続きを読む

故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

4.0

便りをください

私の大切な娘へ
(耳)手紙✕(目)街並み=大都会NYの街の荒涼とした風景を収めた定点からの長回しに、実家の母からの手紙を朗読する声をボイスオーバーで重ねることで、都会における孤独・疎
>>続きを読む

街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

3.5

表現は、(時として)爆発力
爆発した暴走!大胆不敵にエネルギッシュ!! 何が起こっているのか、目の前で繰り広げられているのかわからなくて見入ってしまう…その声は苦痛のうめき声かはたまたゴキゲンな歌声か
>>続きを読む

サンタクロースの眼は青い(1965年製作の映画)

3.5

本当にダサくてみっともないユスターシュらしさ溢れる"身なり"についての寓話的年末

無職でのらりくらりと定職に就かず、働かない理由のウソまでついて手当たり次第ナンパナンパ。万引き転売や落とし物狙いの朝
>>続きを読む

わるい仲間(1963年製作の映画)

3.0

ジャン・ユスターシュの作家主義はここでも一貫しているのが見て取れる原石

タイトルに偽り無しなナンパ街道。横取りされるぞ!男は寝ることばかり考える。寝れないなら財布を奪ってやる?めちゃくちゃ展開だ。け
>>続きを読む

ぼくの小さな恋人たち(1974年製作の映画)

3.5

女に飢えた男(=猿)たち

最後までさせてもらえない=セックスの(本来持つべき?)重みと結婚すること。少年視点から扱われる題材が変わっても、描かれるテーマや総じて作家主義はそうそう変わるものでなく、"
>>続きを読む

ママと娼婦(1973年製作の映画)

4.0

男と女の愛とセックス
について考えさせられる超長尺会話劇の果てに

世の中で一番幸せなヒモ男…?無職ヒモ男の小難しい哲学なんて誰が興味あるんたまとツッコミたくもなるが、カフェでの会話シーンで急にカメラ
>>続きを読む