HidekiIshimoto

チャーリー・ウィルソンズ・ウォーのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

4.0
最近アメリカCIAの自己中心主義をディスってきたのだけど、これ観るとどんな組織にも一握りは自己中じゃない行動者がいるのがわかる。堕ちきった立民にも小川淳也がいるし、腐りきった自民にだってひょっとしてもしかしたら1人ぐらいはたぶんいる(かもしれない)。共和党でキリスト教で大富豪という三重権力者の中にも、アル中で女好きで予算額操作できる下院議員の中にも、中東担当CIAの中にもそんな人いましたよという実話映画。ちょっと珍しいピカレスクロマン。『卒業』のマイク・ニコルズはさすがの人物描写。ピカレスクが似合わないトム。似合いすぎるのはフィリップ・シーモア・ホフマン。ああホフマン…久しぶりに見てまた不在の大きな穴を感じてしまった。物語自体も「最後にしくじった」で大きな穴に落ちる直前で終わる。この気付きにくい怖さは『卒業』と同じ怖さ。衝撃作『ブレッドウィナー』とかでその後のアフガン地獄観ちゃった人だけが落ちる落し穴。観てなきゃただ痛快映画として楽しめる。てことはただ痛快に楽しんだだけの落し穴映画が沢山あるってことだ。