HidekiIshimotoさんの映画レビュー・感想・評価

HidekiIshimoto

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美女と野獣(1946年製作の映画)

4.0

「子どものように心を開いて観てくれ」とコクトーからの注意書きで始まるこの元祖美女と野獣映画は完全に大人向けのファンタジー、じゃなくて幻想譚と呼びたい。うっかり子どもが観たら魔術映像にビビって泣くかも。>>続きを読む

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

5.0

観る者の感性のまだ開かれてない窓を開けてくれる映画は確かにあるが、この作品は当時22歳の俺の感性の窓もない壁に、どがーんと穴を開け全く新しい視野を与えてくれた。ような気がする。フェリーニが失意と慈愛へ>>続きを読む

台湾、街かどの人形劇(2018年製作の映画)

3.5

近頃話題のメタバースについての記事読んだ後にたまたまこれ観ちゃったもんで、伝統芸能どころか人間の暮らしの今までの体系自体が滅び去っていきそうなことを痛感させられた。この布袋戯というかわいらしい人形劇、>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

-

評判らしかったこの邦画、なるほど評判要素コンパクトに詰まってる。色んな観かたもできる感じ。まずは元は舞台劇らしく野球場面一切なしのアイデアスポ根もの。スクールカースト逆転もの。ディスコミュニケーション>>続きを読む

仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

3.5

『ゴッドファーザー(1,2)』『グッドフェローズ』の二大超傑作でマフィア映画というか映画そのものに更に取り憑かれた俺だけど、もしかしてそれの日本版らしきこっちは(一作目とばして)初めて観た。今更観てみ>>続きを読む

ある結婚の風景(1974年製作の映画)

5.0

全6話のTVドラマとしてつくられた5時間弱の完全版を観る機会まあなかろうと遥か昔に諦めてたらなんと配信してくれたU-NEXT。まだ年明け10日目だけど今年のマイベスト確定。もしかしてオールタイムベスト>>続きを読む

ファウスト(1994年製作の映画)

4.0

ガラクタのフランケンシュタイン博士にして廃墟の神シュバンクマイエル。彼の手にかかれば歴史的有名原作も5秒後何が現れるか予測不能映画になる。ほんとこの人の実写合成手法ほど魔術感のあるアニメーションって他>>続きを読む

21世紀の資本(2017年製作の映画)

3.0

数年前のこれやっと観たらたった数年でもう何となく古びた感で、この時代の転げ落ちる速さがしんしんと身に沁みた。こういう現代に警告系ドキュメンタリーは大抵がこうするべきだという処方箋を提示して終わる。20>>続きを読む

私の20世紀(1989年製作の映画)

5.0

去年の米代表作らしきマ…と日代表作らしき浅…で年明けてみたんだけど、この映画黎明期を描く激美作また観たらマ…は只のアトラクション、浅…はちょっと朝ドラにしか思えずで、誠に遺憾ながら本年映画初めはこれと>>続きを読む

浅草キッド(2021年製作の映画)

3.0

新作マトリックスはQアノンだの消費主義だのへの抵抗としてつくられてある、という記事みてなるほどなあディスってごめん…と思った翌日にこれ観てみたらTV化への抵抗を続けた男がほんとの主役として描かれていた>>続きを読む

ポロック 2人だけのアトリエ(2000年製作の映画)

4.0

ポロックにデ・クーニング。米アート界の基盤をつくった50年代のこの面々最高。例えればビートルズ出現前にピストルズどころかPIL、やすきよ出る前にツービートって感じで、当時の米ハイカルチャーの成熟度をひ>>続きを読む

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.0

インフィニティウォー以降のMCUと最新007に感じたことをこれにもじわっと感じた。ルーカスが投げ出した後のスターウォーズでぶわっと感じてたやつ。もしかして大ヒット作にあやかって作られた雑B級SFにしみ>>続きを読む

全身小説家(1994年製作の映画)

4.5

小説塾生徒の爛熟女の方々の語りがいい。初めて観たときは師匠へのあられもない愛言葉にあらあらまあまあだったけど、今観ればどの熟女も小説修練により喋る言葉も磨かれてる感じで、言葉とは思考で、思考はつまり心>>続きを読む

トロール・ハンター(2010年製作の映画)

4.0

スコア5にしたいけどちょっと恥ずかしいから4にした。2度目だけどいや最高。できればPOVだのモキュメンタリーだの全く知らない小学三年生の頃に父親から呼ばれて「ちょっと見せておきたいものがある。けど観た>>続きを読む

木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

4.5

けして軽くない中身の田舎政治映画を、こんな軽妙に撮ってしまえるロメールさすが。けどこれって政治映画なのか?副題が七つの偶然。偶然で決まるものを政治と呼べるのか?ロメールから見れば政治も恋愛も偶然の出来>>続きを読む

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.5

MCU等から遠ざかってたのでこういうアクション映画ちょい面食らう。けど割と家族映画だった。しかも偽家族の絆映画。壮大アクションとドカンドカン全部引いたら『万引き家族』に似てた気もする。そういやあのパパ>>続きを読む

レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

4.0

最初のシークエンス〈青い時間〉だけでも観る価値ある。昔石神井公園の傍に住んでた時、明け方までお絵描きしちゃ白み始めた空見てたまらず池周りを散歩してたのでこの青い時間は何度か経験してる。ほんとにシンとし>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

テレビキャスターとか警官とかウォール街とか共和党とかの最適素材で研究してきてよく理解してるアダム・マッケイが、皆んなもいい加減わかろうねとダメ押し配信してきた。しかもキレよくクリスマスに。何を理解って>>続きを読む

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.0

この前去年のクリスマスきたと思ってたらもう今年のクリスマスきた。日本中が突如キリスト教徒になる奇妙な日。けどまあせっかくなので俺的最強クリスマス映画『アメリ』また観るかと思ったけど、世界的最強クリスマ>>続きを読む

音楽(2019年製作の映画)

4.0

フォークバンド古美術がヤンキーバンド古武術の演奏を聴いた時の脳内模様みて、Dark Side Of The Moon聴いた中学生の時の自分思い出した。俺の場合は岩になって滝落ちじゃなくて半透明になって>>続きを読む

友だちの恋人(1987年製作の映画)

4.5

喜劇と格言劇シリーズの大トリ。外見は小気味いいオシャレ会話劇。けど中身は恋愛諸々感情による大アクションサスペンス映画。もはやミッションインポッシブルに匹敵の内的ドッカンドッカンアクション。パラサイトに>>続きを読む

緑の光線(1985年製作の映画)

4.0

『飛行士の妻』で面倒くさい感じだったお姉さんが面倒くささに磨きをかけて喋りまくる。けどその面倒くささを1番面倒くさがってるのは当の本人という面倒くささ。バカンスで白痴なんか読むなし。なのにうん分かるよ>>続きを読む

満月の夜(1984年製作の映画)

4.0

ポーリーヌと『緑の光線』の間に撮られてるってことはたぶんロメール全盛期。ここでのロメール流ねじくれた愛の考察は、軽妙洒脱にして自由自在って感じ。こんなの東芝日曜劇場で毎週やってくれてたら裏が表で表が裏>>続きを読む

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

4.0

まず大人の女マリオンによる恋愛論から始まる怒涛の会話劇。けどあんなエロ衣装でクネクネ話すから内容まるで頭入ってこずで、早速ロメール殺したくなった。とにかく最後まで全員が、子供の女ポーリーヌまでがそれぞ>>続きを読む

美しき結婚(1981年製作の映画)

4.0

オカマでもないのに何故か女友達から恋ばな、というか恋前ばな、又は恋後ばなを聞かされることがあり、この映画のように彼女らがいかに策を練り策に溺れるかも垣間見て、俺ら男もアホなら女もなかなかとちょっと安心>>続きを読む

飛行士の妻(1980年製作の映画)

4.0

観たいのになかなか観れないロメール映画がなんとアマプラにズラリ配信されてるの見て大喜びし、なのになかなか観ないですぐ観れる映画ばかりだらだら観てたら配信終了間近と知りめっちゃ焦る、みたいな面倒くさいや>>続きを読む

赤い砂漠(1964年製作の映画)

3.5

かつて『欲望』のクールな虚無感にやられまくったアントニオーニの、肝心のモニカ・ビッティ主演作をぜんぜん観てなかったのは、たぶんあのぬぼーっとしたルックスが苦手だったから。けど今観ればずいぶんいい映画の>>続きを読む

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

5.0

『水俣曼荼羅』観るのか観れるのかとぐずぐずしてるのでとりあえず原監督の名を世界に知らしめたこれまた観ることにした。ファーストショットからギンギンにフィクションの如きノンフィクション。全編こちらの日常感>>続きを読む

ディアスキン 鹿革の殺人鬼(2019年製作の映画)

3.5

デビュー作からして古タイヤが殺人鬼とか説明困難な映画ばっかり撮ってるこの監督。ばっかりって『ラバー』と『ロング』しか観れてないけどまあ分かる。なんとアマプラで観れる本作もぱっと見はオフビート、けどだん>>続きを読む

プリースト 悪魔を葬る者(2015年製作の映画)

3.5

このジャンルで撮る監督は誰もが名作『エクソシスト』の影響の下でどんな新鮮味出そうかと考えるだろうけど、俺的には韓国で悪魔祓いってだけでちょっと新鮮。そういや韓国は結構なキリスト教国みたいでそれ系の面白>>続きを読む

炎上する大地(2021年製作の映画)

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19年のオーストラリア森林火災がどれほどのものだったかはこの驚愕衛星画像がはっきり示している。コロナでうやむやになってる感じだけど、20年以内に世界平均気温1.5℃上昇はもはや不可避なんだそうな。2℃>>続きを読む

戦慄の絆(1988年製作の映画)

4.0

名優ジェレミー・アイアンズのダークサイドがたっぷり観れる変態中年好き女子垂涎の変態映画。昔の彼女もこれ大好きだった。ライトサイドは超貴公子のジェレミー。がだらしなく涙と鼻水とヨダレたらしてゲロはいてハ>>続きを読む

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

5.0

溥儀という人ほど傀儡人生に閉じ込められた権力者って珍しいかも。それとも全ての権力者は何かの傀儡なのか?どうよ麻生さん?消えたのが不思議なくらいジョン・ローンがいい。教授もキマってる。ジョアン・チェンた>>続きを読む

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

4.0

カイザー・ソゼなんて名前がスターウォーズ以外でもあることを世界に知らしめたどんでん返し映画ド定番。どんでん知ってても何度観ても面白いのは一部の隙もない構成とクセの強い役者陣ゆえ。私生活でのクセ強すぎで>>続きを読む

This(原題)(2016年製作の映画)

5.0

ついにきた最初のレビュー。ふと検索してみたら1作品だけあったよあったMalcom Satherland。 は10年くらい前にたまたまだったか運命だったか知ってどハマりしたカナダのアニメーション作家。v>>続きを読む

わが青春に悔なし(1946年製作の映画)

4.5

言論弾圧がとけての戦後第一作を女主人公にしたのは、ちょっとマッチョ臭い黒澤明の面目躍如だった気もする。ちょっとメンヘラ臭いワガママお嬢を開眼開花させるのが反権力闘争で獄死する男ってのもイズムの黒澤ぽい>>続きを読む

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