手塚さんがはじめて本格的にアニメに関わり、挫折感を植え付けたという東映長編のひとつ。作品としてのレベルは高い。演出的に今のアニメに近づいているのに、アクションに声芝居がついていないのが何気に気になります。ヒロインへの加虐性が強く、ひたすら耐える仕える女っぷりがこの作品の独自な点だと思います。これは手塚さんの言うとおり、ヒロインは殺しといたほうがむしろ筋が通っているように感じました。無理やりハッピーエンドになっているせいで、悟空の身勝手さが裁かれずに終わっているようで、落ち着かない感じがありました。