シリーズ中不動の人気を誇るリリーとの3作目。リリーはより洗練されキレイになってます。
虫除けの蚊帳、お母さんの唄声。暑くても海風が届いてくる沖縄の静かな夏の夜の温かくて物悲しい情景が、この作品を更に深いものにしていますね。
間違いなく愛し合っているのに、照れやプライドやいろいろで一緒になれない2人が切ない。
駅で寅さんとさくらがリリーを見送るシーンは悲しいですね。「ねえ寅さん、もし旅先でつらい目にあったりしたら、またこないだみたいに来てくれる？」寅さんシリーズの中でも名場面の一つと思います。
悲恋の結末と思っていたら、最後のバス停の2人の再会シーンで2人の絆をより固いものにし、爽やかなエンディングにした山田監督、さすがとしか言いようがないですね。
「以前お兄さんにお世話になった女ですよ。」
「はて？こんないい女をお世話した覚えはございませんが。」
もう一度見たくなりました。
