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男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花のぉゅのレビュー・感想・評価

4.2
2020年 鑑賞
BSテレ東にて、テレビ初放送の4Kでらっくす(4Kデジタル修復版)での一挙放送にて。26/50作目。

今回も夢始まり。義賊・鼠小僧寅吉。さくらと博に小判を送るも... さくらが実の妹とわかると... 現実は子どもチャンバラごっこ...

ー 忘れな草が、ハイビスカスに ー
博がリリーさんに出会ったことから始まる... そしたら寅さんから電話がかかってきて... リリーさんは南、寅さんは北。運命の悪戯か、交わることがなさそうなんだが... 運命を変えたのは...?
喧嘩の元は寅さんのタイミングと、タコ社長の一言だ... 今回はリリーからの速達が空気を変える。
沖縄で倒れたリリーさんに会いに行くため、1番速く着く方法を考え、辿り着いたのが “飛行機” だったが... 飛行機は嫌だと駄々を捏ね出した寅さん... 子どもかーい(冒頭のチャンバラシーンはそのため?)!

とりあえず落ち着いた寅さんだったが... 空港の入口にて、柱にしがみついて嫌がる。プロペラがついてないとダーメ... じゃなかった!案外簡単な方法で乗った... チャンチャン!

沖縄に着いた寅さん。病院にてからのボケに爆笑!寅さんは浮世離れし過ぎ!だが、寅さんは本気!だから面白い!

もちろん沖縄でもお仕事の口上だ!私には病気の“妻”がいる?しかもリリーさん退院後、同棲か?

本当に夫婦みたいな寅さんとリリーさん。このまま住むの?亡き夫を想うおかぁの唄が聞こえる... 大事なことはすぐにはぐらかす、恥ずかしがり屋な寅さんって、好きだなぁ...
沖縄弁と寅さんの考えていることは、わからないなぁ... 寅さんたちが間借りしている家の長男の国頭高志(江藤潤さん)は、自分の車で、リリーさんに一日中付き添う。寅さんは沖縄美女にうつつを抜かすが... 高志と(ヤキモチから)言い合いから、(ヤキモチから)喧嘩... 翌朝、リリーさんは消えていた... 夢か?現実か?
リリーさんを追って東京を目指した寅さんだったが...

“あんたと私が夫婦だったら別よ” “私、幸せだった、あの時(沖縄での同棲生活が)” “リリー、俺と所帯を持つか?“ 互いのプライドからか?意地からか?夢だったか?また渡世人に戻る二人。“リリー、幸せになれよ”

最後のバス停のシーン、染み染み染み... 染みたっ!泣けるいい完結のトップ3に入るし、作品自体も名作な一本だった。あと、おばちゃんの「ハブに噛まれて死んだんじゃないか?」にクスッとなった!

寅さんは怖いのは飛行機で、高いとか低いとか問題じゃないそう... 私は飛行機は怖くはないが、姪がグレるかもと怯えている。非行期が怖い。ヒコウキが怖い... お後がよろしいようで。

“わたしの寅さん、ぼくの寅さん”に寄稿された立川志の輔さん(落語家)。リリーさんこと浅丘ルリ子さんの言葉を借りましょう。「寅さん?そうね、ダメな人ねえ。でもそのダメなところが好きなのよ、困ったことに」これに尽きますね。でも言えない「それを言っちゃあ、おしまいよ」だからね、寅さん。と、おっしゃっていた。私も寅さんの浮世離れした性格が堪らなく好きなんですよ!でも寅さんは本気だ!だからいいっ!おかしいっ!しがらみないし、我々が目を瞑ったり、避けたり、臭いものに蓋するところを、そうじゃねぇだろ?って、はっきり言ってしまう破壊力!だから刺さり、染み、泣いてしまうんだろうね!


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