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動画配信は2025年11月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
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目次
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The Vourdalak(英題)の評価・感想・レビュー
The Vourdalak(英題)が配信されているサービス一覧
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The Vourdalak(英題)が配信されていないサービス一覧
『The Vourdalak(英題)』に投稿された感想・評価
YasujiOshibaの感想・評価
2025/12/07 23:12
-
OK。25-133。バーヴァ祭りの横道(その2)。フランス語、英語字幕。
これはよい。ゴルチャがマリオネットなのが怖くて良い。最初の登場シーンはバーヴァと同じ演出で姿を隠している。最初に見せるのが指。生きた人の指ではない。ところがリアルに撮れている。
なるほどマリオネットなのだ。そしてドクロのような顔があらわれる。生きているように動く。人形使いがうまい。そもそも「ヴルダラク」(吸血死人)となったオルチャを人形でやるというアイデアがみごと。あれをCGでやると違うものになってしまう。
それにしても森の中でズデンカが登場するところが見事。自然光のなかで強烈な照明を当てることで、みにつけている宝石ががきらりと光る。そのすらりとした肢体のおどりが異界をひらく。サロメが踊っているようではないか。
ズデンカを演じるのはアリアン・ラベド(Ariane Labed, 8 May 1984)。見事な身のこなし。その神秘的な眼差し。繰り返そう。まるでサロメなのだ。しかもヨルゴス・ランティモスの配偶者というではないか。わかる気がする。
子供が蘇るシーンはたぶんバーヴァの影響。ぞっとさせられたのは、その母親が料理するところ。動物の頭のスープ(牛だろうか)。羊をさばく血まみれの手。食べ物は本来おぞましい死から作られるもの。そして血は死からやってきて生をもたらすもののシンボル。ヴルダラクはだから、家族的な食卓に惹かれるのであり、文字通り、食卓の家族の血を糧にするのだ。
バーヴァも、フェローニもそうだけど、この物語はラストが工夫のしどころ。A.トルストイの小説のラストが映画のない時代の映画的なものだったとすれば、映画の時代にそのままやるのは、ハリウッド映画ならまだしも、いかにも芸がないということなのだろう。
アドリアン・ボー(Adrien Beau, Paris 1981)もまた、その長編デビュー作でラストに工夫を凝らしている。主人公の外交官ジャック・アントワーヌは、ズデンカ/アリアン・ラベドに欲しがっていた世界地図を手渡し、自分のために用意された馬を譲ると、彼女の姿を見送りながら、あの崖から(彼女に紹介された場所であり、彼女が恋人を撃ち殺された場所から)、後ろ向きに身を投げる。
バーヴァの場合は、みんなヴルダラクの世界に渡ってしまう。フェッローニはそんな世界があったことに、もしかすると妄想かもという疑問符をつけた。アドリアン・ボーは、このラストシーンでズデンカを助けたかのように見せかけるのだが、妙な音を聴かせてくれる。それは、マリオネットのヴルダラク/ゴルチャがそうしていたように、白い布をくちゃくちゃと噛ませてみせたではないか。
そう、決してハッピーエンドではない。やがてスデンカがパリで公爵夫人に保護されたことが、夫人の日記によって示される。その締めくくりの言葉が「きっと私を愛してくれるわ」。愛こそは「ヴルダラク」の感染を広げるのだと知るものなら、ここでぞっとせずにはいられないはずだ。
音楽も良い。ニーノ・ロータによるフェリーニ『カサノバ』(1976)のサントラにインスパイアされたという。ジャコモ・カサノバ(1725-1798)の物語もまた18世紀末。ロータのサントラは同時代を再現した音楽いうわけだ。
ともかくもよかった。高画質で見直したいな。僕が見た場所はここ。画質はそこそこ。でも、ご堪能あれ。
https://m.ok.ru/video/9643685382734
追記:
ブルダラクを「人形」にして、映像をスーパー16ミリのフィルムで撮影したのは、ある種の手作り感を出したかったのだという。監督のアドリアン・ビーはインタビューで次のように答えている。
「私はいつも手を使って仕事をしてきました。最初からずっと、ものを作りたいという欲求があったんです。『The Vourdalak』では、プロデューサーから吸血鬼のマリオネットについてあれこれ言われて、必ずしも簡単ではありませんでした。
でも私はどうしても自分で作りたかった。「観客が信じない」と言われましたが、私にとって重要なのはそこではありません。それは“不穏さを引き起こすための物体”なんです。俳優にメイクをしただけだったら、あそこまで不穏にはならなかったでしょう。でもマリオネットだと、観客が笑ってしまうことがあったとしても私は気にしません。このキャラクターはひどい存在です。ホモフォビックで、子どもを殺し、娘を虐待する。だから、最初はコミカルに見えてもまったく構わなかった。
目的はジャンプスケアで怖がらせることではなく、“なんでも起こりうる世界”、そして“全体的な居心地の悪さと不安”に観客を引き込むことなんです。
私はデジタルVFXを使いたくありませんでした。いまはAIが作者の仕事を奪いつつある時代ですが……映画はまだ“本物のもの”で作ることができるんです。そして、マリオネットに命を吹き込むのは、ドラマツルギー(構造)と俳優の演技でもあります」(翻訳は ChatGPT)
https://superseven.fr/interview/interview-adrien-beau-vourdalak?utm_source=chatgpt.com
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