けんけん3号

運命の女のけんけん3号のネタバレレビュー・内容・結末

運命の女(2002年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

WOWOWオンデマンドの洋画ランキングで、本作が2位になっていて、なんか見たくなって久しぶりに再鑑賞。なんとも切なくなる作品。よくある不倫映画で、「ほら、見たことか!、バカだな~」って片付けてしまえばそれまでなんだけど…。個人的にはダイアン・レインとリチャード・ギアが、葛藤と苦悩の心情を擦り切れる演技で表現していたので、安っぽくならず、人間ドラマとして見れたかな。何不自由なく恵まれた暮らしをしているコニーたが、つい魔が差して、若い男と情事を重ねてしまう。前半は息子と夫への後ろめたさと、忘れていた女の艶に目覚めたコニーの葛藤と、ちょいちょい妻の変化に気づくエドワードが描かれる。女を我慢出来ず抑えきれないコニーを演じるダイアン・レインは妖艶。新しい下着をまとい、様々な場所での情事は完全に盲目になってしまっている。対してあまり演じたことのない役どころのリチャード・ギアの葛藤が見ていて可哀想。バスルームでの拒否は心がここにない現れだもの。スノーボールのメッセージも泣かせるわ~。あまりに妻を愛していて、経営者の顔を持つ彼は何も悪くないのだがら。この作品は不倫映画ながら子供のシーンが多い。これはコニーの人柄が、よく家族を愛していながら、それでも抑えきれない、どうしようもない性が人間にはあることを描いているのだろう。そして幸せな家庭を持つものが足を踏み入れたらどうなるのかも、同時に描いているのかな。ここをどう捉えるかによって作品の好みが分かれるんだろうね。終盤、結局別れを決意するコニーだが、時すでに遅し。エドワードがポールを…。あの時タクシーがつかまえられてたらね…。ラストの警察署での信号待ちは考えさせられる。赤から青、そして赤。動けない2人。後部座席の息子のことを考えると切ないよね。個人的にこの作品は自分に染みた作品。よってスコアは甘めかな。