けんけん3号

カラオケ行こ!のけんけん3号のレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.9
ワイドショーで紹介されてて気になっていた本作をネトフリで見つけて鑑賞。歌が上手くなりたいヤクザが中学生にカラオケで教えを請うコメディ。皆様の高評価も納得の面白さ!ヤクザと言っても、「セーラー服と機関銃」や「 任侠学園」 に出てきたような義理人情重視の優しいヤクザ。「孤狼の血」とは真逆。こういう作品にはヤクザのリアルは不要。とにかく聡実くんと狂児の関係がいい。カラオケを通じて、いつの間にか多感な中学生を大きく受け止めている。他人だから心を開けることってあるよね~。ここら辺の描き方が上手い。これは野木亜紀子の脚本が素晴らしいからだろう。カタギには手を出さないヤクザのアニキを演じる綾野剛が見事。綾野剛はどんな役でもそつなくこなすな。流石。家族の場面、映画部のシーンの差込みも上手い。ラストの狂児のさり方もいい。
聡実の中に存在感だけ残して…。でも、悲しみはなく、むしろ明日が感じられて爽やかな印象。この内容を107分にまとめ上げているのは見事。ヤクザがカラオケ??って言わずに、素直な気持ちで観て欲しい作品。それにしても、綾野剛の「紅だぁぁ~!」と聡実の紅の熱唱はなかなかの見どころ。個人的に大満足の作品だった。