まっつん

ダークマンのまっつんのレビュー・感想・評価

ダークマン(1990年製作の映画)
4.0
サムライミがスパイダーマンを撮りたすぎるあまりに撮ったと思われるヒーロー映画。そこかしこで「サムライミは本当にスパイダーマンが撮りたかったんだなぁ」と思わせるシーンがありますね。

まずいきなりエンディングの話になっちゃうんですけど笑、本作のエンディングは個人的に映画史上一番好きかもです笑。最後振り向いたら....あっ!この人か!っていうサムライミファンなら失禁しながら涙も流すような名エンディングだと思います。マジで最高。このエンディングの時点でもう100点満点なのですが、ちゃんと映画の内容も伴っております。

まずサムライミという監督の素質とアメコミ映画の相性の良さは「スパイダーマン3部作」で世間に広く認知されたと思いますが、本作の時点でもう片鱗は見えまくっています。サムライミという監督はとにかく漫画的な演出をなんの躊躇いもなくやってしまう監督と言えます。本作でも白眉と言えるシーンとして、遊園地でぶちぎれるシーンがありますが、ここではリーアムニーソンの目から本当に炎が出ると笑。他の作品も見てみると、「スペル」では主人公は比喩じゃなく「地獄に落ちる」し、スパイダーマンでは指からクモのような針が出るところをバッチリと絵で見せてくる。というように本来なら滑ってもおかしくないような漫画的な演出を堂々とやる監督であるということです。本作は特にサムライミ映画の漫画的な側面が炸裂していると思います。

このような漫画的な演出の積み重ねでありながら、起こっていることは結構酷かったりするのも魅力の一つです。これもサムライミ映画では結構一貫している部分かなと思います。特に本作はそこのバランスが絶妙で、おかげであんま深刻にならずに見れるのが良いところですね。