たく

秋立ちぬのたくのレビュー・感想・評価

秋立ちぬ(1960年製作の映画)
3.8
女にとって不遇な時代に大人の世界に振り回される子ども目線で描いてて、なんだか怖い話だった。
田舎から出てきたシングルマザーとその息子が都会の世知辛さに晒される中で親子の絆を守っていく話かと思いきや、度肝を抜かれる展開にびっくり。若き音羽信子の慎ましやかな感じがまたミスリードで、加藤大介がこないだ観た「おかあさん」と似た感じの役柄で出てきたね。

小学4年生の女の子が6年生の少年を翻弄する感じに成瀬監督らしい女の強さしたたかさが出てて、後半ほとんどこの二人しか出てこない孤独な展開にちょっと「火垂るの墓」思わせた。
「~ずら」「~じゃん」っていう長野の方言がセリフ回しに自然さを出してて良かったな。
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