アノ

武蔵と小次郎のアノのレビュー・感想・評価

武蔵と小次郎(1952年製作の映画)
4.2
これは奇形映画の傑作の一つとして語られるべきではないか。
吉岡四代目(子役時代の津川雅彦)を無理やり立たせてから斬る武蔵、
夫の名誉のために動いた妻を自害寸前まで追い込む(ここの鬼気迫る演出は見事!)小次郎、
吉岡一門との対決で負った傷を癒やすために行われる一条寺での治療シーンは血みどろの武蔵を囲んで祈祷を続ける坊主たちのセッション、
のどかな修行シーンからの少女の足にすいつく武蔵、
どこを切り取っても怪奇で異様。
立派な剣客の姿などどこにもない。

マキノらしく美しい女優への演出。
茶店の二階から現れる淡島千景の妖艶さには痺れる。
アノ

アノ