扱っているテーマは重いものの、軽快なコメディタッチで観させるのはさすがチャップリン。
そして終盤の演説シーン。もしも平和を願う弱者が自分たちの自由を奪うものたちや全世界に向けてスピーチをする機会があったとしたら。その世界線を見せてくれたのは面白かった。
トーキー映画の登場にあわせて、それまで非言語的なエンターテインメントを極めてきたチャップリンが、ここまでストレートな言葉を、しかも当時の緊迫した世界で人々に届けたことやその勇気には大きな価値がある。彼の心情を思うと大きな尊敬の念が湧いてくる。
ただ、やはり彼の思想は良くも悪くもアメリカ的であったことも事実である。