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独裁者のmikumiku1188のレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
5.0
改めてチャップリンの映画人としての偉大さに感動した。

先日BSにて放送して居た物を録画して鑑賞しました。1940年と云えば世界にファッシズムが充満しドイツ帝国が巨大化し第二次世界大戦の勃発する時期の作品。(歴史知識が誤っているかな?)そんな時期にユダヤ人迫害や独裁者による圧政を皮肉たっぷりにチャップリン特有の可笑しさの中に描いています。
主人公のユダヤ人理容師がドイツ軍による迫害を受ける中、決して心は折れて居なかった。チャップリンがその理容師とヒトラーをもじった独裁者ヒンケルの二役を演じている。その他ナポレオンをもじったナポロニなる対抗勢力を登場させて当時の世界情勢を風刺している。何と言ってもこの作品の最大の見どころは、瓜二つの風貌により独裁者に間違えられてしまった理容師による演説の場面である。
その場面ではチャップリンの演技では無く個人として世界に主張する心を込めた力強いメッセージ他ならないと思います。この作品に至るまではサイレントに拘ったチャップリンがこのメッセージの為にトーキー作品を手掛けた事は有名ですね。
三度目の鑑賞になった今回改めてチャップリンの素晴らしさを再確認しました。
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