しましま

独裁者のしましまのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
4.5
この時代に(この時代だから?)正面切ってユダヤ人問題やファシズム、独裁政治に切り込んでブラックユーモアに仕立てるというチャップリンの才能と度胸。
紛れもなくチャップリン作品でも指折りの傑作。

多忙過ぎる独裁者のバタバタぶりは非常に滑稽だし、美容師とヒロインのロマンスも微笑ましい。ベタなコメディが大半ではあるのだが、テーマがテーマなだけにそのアンバランスさが非常に秀逸。

そしてラストの演説は映画史に残る名シーン。80年経った今でも人類はお互いを分かり合えず、世界のどこかで戦争が続いているというのは実に悲しい。