ma097

独裁者のma097のレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
3.6
チャップリン作品を初めてちゃんと鑑賞した。
序盤〜中盤にかけては、チャップリンがもたらすエンターテイメント性が効いた作品に仕上がっていた。
でも最後の演説はとても響いたなあ。彼がこの作品にかけた『命』をすごく感じて胸が熱いし痛い。


I'm sorry. I don't want to be an emperor. That's not my business. I don't want to rule or conquer anyone. I should like to help everyone if possible. Jew, Gentile, black men, white.
(申し訳ない。私は皇帝になりたくはない。それは私の務めではない。私は誰も支配したり征服したりしたくないのだ。できることなら全ての人を助けたいのだ。ユダヤ人も,ユダヤ人以外の人々も,黒人も,白人も。)


今から80年前に彼が命をかけて紡ぎ出したこのセリフを、無駄にしたくない。
他人の不幸によって生きたくないし、支え合うべきだ。権利は誰しもに与えられていて、生きることは美しい。そのはずなのに、80年経った今でも人種差別は無くならならない。宗教や肌の色、そんな外的要因で人の価値判断をするべきじゃない。
この映画に今出会えて本当に良かった。美しく力強いメッセージを胸に生きていきたい。
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