Pegasus

独裁者のPegasusのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
5.0
悲劇と喜劇は紙一重
この作品を観終わった後5分ぐらいボーっと余韻に浸っていて無性に「早くレビューを書かなければ!」と謎の使命感に駆られた。

喜劇の対義語は何だろうか?
もちろんすぐに出てくる単語は悲劇だ。しかしこの作品を観た後だと喜劇の対義語は戦争なのではないかと思う。
じゃあ悲劇はなんなんだ?自分は悲劇は喜劇の類義語だと今は思う。誰かにとっての悲劇は誰かにとっては喜劇にもなりうるからだ。この作品はそれを教えてくれた。独裁者のチャップリンが最後の方で兵士に理髪師のチャップリンと間違えられた。これは独裁者のチャップリンからすれば"悲劇"だ。しかし、その他のユダヤ人であったり、兵士などにとっては結果的に"喜劇"となった。
このように喜劇と悲劇は紙一重だ。
じゃあ喜劇の対義語は?それが戦争だ。
戦争が喜劇の対義語だといいことは、今作や「この世界の片隅に」や「ジョジョラビット」などの作品も証明している。
その喜劇と戦争を何十年も前に扱ったチャップリンはやはり凄い。
彼は偉大なるコメディアンであり偉大なる道徳者だ。

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