松浦義英

新・男はつらいよの松浦義英のレビュー・感想・評価

新・男はつらいよ(1970年製作の映画)
3.0
ワゴンタイガー=車寅(次郎)。
おいちゃんの「馬鹿だね、あいつぁ…」連発オープニング(笑)

そしてまさかのハワイ行き…かと思えば当日に旅行会社の社長が旅費を持ち逃げ。
でもそれを周りに言えず、良い気で空港まで送迎される寅さん御一行と。
おいちゃんとおばちゃんと寅さんが空港でどこにも行けず、街のみんなから隠れてとらやに戻ってくるというクライムサスペンス。

空き巣?に入られて捕まえるけど、警察に通報したらハワイに行ってない事が商店街の皆に知られるので通報はしてほしくない寅さん。
とらやの皆が周りから辱めを受ける=寅さんの管理力が馬鹿にされるからと通報せずに空き巣を逃して、逃走費用も工面する寅さんの人の良い事よ(笑)

空き巣のせいでとらやに人がいることがバレて、悪銭身につかずと。
せっかく叔父叔母孝行しようとしたのにかわいそうな寅さん。
不器用だなあ。
…自分が他人に世話になるのが筋通ってないってわかってるんだよなあ寅さんは。

家出するけど一月して戻ってきたけど、おじちゃんおばちゃんが店先にいるとカッコつかなくて入ってこれない寅さん(笑)
それをアシストしてあげるおじちゃんおばちゃん。人情に溢れてるぜ。

幼稚園のはるこ先生のに惚れるシークエンスが上手く出来てるなあ。
家出してる間に寅さんの部屋を貸してあげると。
はるこ先生がいると分かって速攻家出を取りやめる寅さん(笑)
…あれだけ啖呵切ってたのにな、構ってちゃんだなあ寅さん。

「結構毛だらけ、タコ糞だらけ」(笑)

御前様が幼稚園の園長になってる?!
似合ってる!(笑)

100万円エピソードはどこかに置いてきて日常の柴又に戻りはる先生とのエピソードがメインになる展開。
決まった展開安心するよね(笑)

「春が来た春が来たどこに来た♪」→「どこに来たもねぇもんだ。てめぇの頭の中に来たんじゃないのか?」(笑)

御前様の「はい、こんにちは」
好きだなあ。

はるこ先生のお父さんが亡くなって意気消沈してるのをおいちゃんの小説労働劇で直してあげるの最高。

そしてはるこ先生の彼氏登場。
唐突に来るけど受け入れられるのはパターンだからか、見せ方が上手いのか。

寅さんが振られて、寝てるおいちゃんとおばちゃんに別れを切り出す場面かっこいいなあ。
「すっかり年取っちまいやがって。
毎度のことながら、また笑いもんになっちまった。
また今度もよ、何一つ恩返しらしいことはしてやれなかったな。
そのうち必ず、必ず良い目見さしてやるからよ。
勘弁してくれよ。
体だけは大事にしてな、二人仲良く長生きしてくれよ」
それを寝たふりで聞いてるおいちゃんとおばちゃん。
…素晴らしいなあ。
松浦義英

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