直緒

ギャング忠臣蔵の直緒のレビュー・感想・評価

ギャング忠臣蔵(1963年製作の映画)
4.0
これぞ東映タッチ。
東映にギャング路線ブームがきてた時につくってしまった怪作!
その名の通り、ギャング✕忠臣蔵。
オープニングでこれでもかと鳴り響く銃声に東映ファンの心は早くも鷲掴み!?

忠臣蔵の名場面をやけに丁寧に押さえながらパロディしている。忠臣蔵を知ってれば、ああそうきましたかと思える。

九州にシマをもつ浅野組が全国区の柳沢総社の傘下に入る。その柳沢の息女、瑤子さん(瑤泉院)と婚約したのは高倉健演じる浅野組の若社長浅野卓巳。
しかしその事で同じく総社の傘下で東京を縄張りとする吉良興行の吉良に目をつけられる。パーティに招かれてもスーツではなくタキシードで来いと言ったはずだと何かと嫌がらせを受ける。(部下がこんなこともあろうかと、とタキシードを用意してる)。耐える高倉健。
しかし吉良が柳沢に逆らいヤクを扱うと知りさすがに黙っていられず、松(の壁飾りのあるホテルの)廊下でついにハジキを抜いてしまう。こんなところで撃てるものか、田舎者が、と挑発する吉良。
鳴り響く銃声、逮捕される高倉健。九州の大石専務(片岡千恵蔵)のもとに届く電報。シマを荒らされ、ついに解散に追い込まれる浅野組。
盃を返上することなく残った47人の兄弟たちと、ついに大石は立ち上がる!

よくぞつくった!やりたい放題とはまさにこれ。こんなにふざけてるのにカットや撮り方は真面目そのものなのが個人的には良い。

続編(後編)が制作されずに終わってしまったことが悔やまれる。南部坂雪の別れは涙必死だったろうに…
やはりギャングとのコラボに問題があったのか。
それとも豪華キャストを再結集できなかったか。片岡千恵蔵、高倉健、鶴田浩二、丹波哲郎、進藤英太郎、千葉真一。
揃いも揃って何やってるのとツッコまざるを得ないが一見の価値あり!
直緒

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