黒味噌

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊の黒味噌のレビュー・感想・評価

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)
5.0
先週、もう何度めになるか分からないが攻殻機動隊のTVアニメシリーズを見終わり、最高だったのでこちらももう一度観ようと思い鑑賞。

観るのもう8回目くらい。いい加減、好きな映画を繰り返し見てしまう癖どうにかしたいと思いつつ、攻殻機動隊に関しては、TVアニメシリーズ含め、今後も飽きることなく見てしまうんだろうな。

まず、音楽が最高なんですよ。映画版の音楽は川井憲次が作っているわけなんだけども、OPがもうさ、ワクワクするのよ。東アジア諸国にしか出せない音階が不気味で、作品の世界観とマッチしすぎている。素子が水中にダイブするシーンのBGMとかも、ゲーム音楽っぽくてとても好き。(TVアニメシリーズは菅野よう子で、川井憲次の音楽とはまた違うんだけど、あっちはあっちで最高なんだよなぁ。突入時のBGMとか、アガるよね。)

そして背景描写。現在"サイバーパンク"と呼ばれている世界観・ジャンルをこの時代にここまで王道に、緻密に描写しているのは本当にすごい、、、。過密なビル群、住人の無国籍感、陰鬱な色使い。僕みたいな厨二病がワクワクせざるを得ない要素が、アニメーションの中にたっぷり詰まってて、最高。

そして、ストーリーに関して。こちらはTVアニメシリーズと比較して見てみると、より楽しめると思う。あらすじとかは色んなブログとかで乗ってるから省くけど、今回特に面白いなと思ったのは、こちらの映画版では、素子は人形遣いの提案に乗って、限界の存在する肉体を捨ててネットと融合した訳なんだけど、TVアニメの2nd GIGでは、クゼから同様の提案があったにも関わらず、迷った末に肉体を捨てることはしなかった。これは製作陣が間違いなく狙ってやったのだと思う。単にTV版と映画版の違いを強調するためなのか、あるいは他に何か別の意図があったのか真意は分からない。個人的な希望(妄想)としては、TV版とアニメ版はパラレルワールドの話で、映画版の世界線では素子がネットと融合するのを止められなかったバトーの後悔と執念が、別の世界線(TV版)のバトーに乗り移って素子とネットの融合を止めた、とかだったら面白いな〜って思ったり。

なんにせよ何度見ても新しい発見があるというのは、製作陣のその作品に対する誠実さや情熱が表れているようで、そういったところも僕がこのシリーズを好きな要因の1つだと感じた。

あと、映画版の素子はTV版よりも人間らしい葛藤が多く見られたり、バトーに対するささやかなデレがあったりして可愛いんだよなぁ。バトーはどの作品でも素子にぞっこんで最高にかっこいいし可愛いけど。

とにかく、傑作です。一生好きだな。多分。TV版も是非見てほしい。
黒味噌

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