少年・左吉は、単眼症に生まれたため、連日激しい差別や暴力に遭い苦しんでいた。 母子家庭の左吉は、母親の呪縛と精神支配、狂信的な愛情の元で育てられていた。 ある日 左吉は、巨大屋敷の半地下の牢屋に幽閉された女性 玲子の存在を知る。 玲子もまた母子家庭で、稀少難治性疾患や、母親や男性達の暴力や虐待で受けた心理的外傷で苦しんでいた。 玲子を幽閉していたのは、霧生の権力者・森田龍之介であった。 左吉は玲子の惨状をみかねて、小柄な身体を利用して牢の鍵を盗み出し、玲子を座敷牢から脱出させることに成功した。 それを知った森田は日本刀を片手に二人を追いかけてきた。必死で逃げる玲子と左吉は、謎の地下迷路の中に入り込んでいた。 左吉と玲子は、数々の逆境に負けず、互いに手を取り合い、蝋燭の灯りと千字文の拓本だけを頼りに暗号を解読、迷路の夜行に挑んだ。 しかし数々の仕掛けを張り巡らせた巨大地下迷路の奥には、世にも恐ろしい地獄が待ち受けていた。