飯

絞死刑の飯のレビュー・感想・評価

絞死刑(1968年製作の映画)
4.8
内景幻想の中で真実を演じ、外景現実の中で夢を見る。

三一致の法則、重複ショット、シュルレアリスム、人物全般の記号化。

1、肉体と魂が分離されたら、「人間」という存在が認められるか。すなわち人間というものはどんな基準で判断されているのか。
2、幻想が現実の中でどれくらい重要であるか。潜在意識が現実を超えた時点で、両者の区別はあるだろうか。
3、個人が宗教と社会の範疇での違う定義。
4、日朝関係の曖昧性を反射する鏡像。
5、一つの社会事件から歴史に残った問題への探求。

今村昌平式の野蛮性、篠田正浩式の舞台装置、鈴木清順式の意識流。
カフカの『審判』のような司法異化、ラカンの鏡像段階論、オーウェルの国家機械への風刺。

大島渚は毎回信念で観念論的な歴史の考え方とエロスの虚しさを殺し、歴史と愛を結んでいく。
飯