映画男

絞死刑の映画男のレビュー・感想・評価

絞死刑(1968年製作の映画)
2.0
処刑された囚人の心肺が停止せず、心神喪失、そこから囚人(朝鮮人)に罪の意識を思い出させるために警官たちがあれこれ策を講ずるという設定は面白いがそこから先のコントじみた芝居劇は甚だつまらない、虚しさすら感じた。大袈裟に誇張した芝居をあえて演じることで権力者や国家の犬のアホらしさをうまく皮肉しているかもしれないがそれよりもそんなあからさまな手法で死刑廃止論に一石を投ずる大島のやりかたに憤りを感じる。映画として面白くないし大島渚らしくない。無論それはおれの見方に過ぎない、主観的な意見であるのだが。なんせこの映画、海外でも映画人たちにはすこぶる人気の作品だから。とはいえ理詰めで考える悪くいえば頭でっかちな大島渚にエルンスト・ルビッチみたいなブラックコメディは撮れるわけがない。
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